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己こそ己の王なり


■ 引用原文(日本語訳)

この世では自己こそ自分の主である。
他人がどうして(自分の)主であろうか?
賢者は、自分の身をよくととのえて、(自分の)主となり得る。
――『ダンマパダ』第11節(一一*)


■ 逐語訳と用語解説

  • 自己こそ自分の主:自分の人生・選択・心のあり方を司るのは他人ではなく、自己自身である。
  • 他人がどうして主であろうか?:外部の人物や権威が本質的にあなたを支配することはできない。
  • 賢者(パンディタ):自らを律し、自己をよく理解する者。
  • 身をよくととのえて:行動・習慣・精神を整え、自己管理の力を備えること。
  • 主となり得る:人生の主人公・統治者としての自己を確立すること。

■ 全体の現代語訳(まとめ)

「この世界において、自分のことを真に治めるのは自分自身である。他人がどうして自分の心や行動の主になれるだろうか?
だからこそ、賢者は自らを律して、自己の人生の主人となるのだ。」

この言葉は、自立・責任・主体性という人間存在の核心を突いています。


■ 解釈と現代的意義

この章句は、現代において特に重要な「他責から自責への転換」を示しています。
誰かのせい、環境のせい、社会のせい――と外部に主を置く限り、人は自らの人生のかじ取りを放棄することになります。
しかし、「自分の主は自分である」と覚悟を決めた瞬間、人は真の自由と責任を手にするのです。

仏教は「無我」を説きながらも、同時にこのような強い自己統御の精神を教える点が特徴です。


■ ビジネスにおける解釈と適用

領域適用例
リーダーシップ上司・環境・外的要因に振り回されず、自らの原則に従って判断し、行動できる人が信頼される。
キャリア形成他人の期待や一般的な成功モデルに依存せず、自分の価値観・意志に基づいて進路を選ぶ。
意思決定「誰が何を言うか」ではなく、「自分はどうありたいか」を基軸にしてブレない判断を下す。
マインドセット失敗やトラブルも「自分で立て直す」と腹を括れる人が、組織でも成長し続けられる。

■ 感興のことば(心得まとめ)

「主は他にあらず、わが内に在り」

誰もあなたの人生の責任を取ってはくれない。
ゆえに、あなたの人生の主(あるじ)は、あなた自身である。
自らを整えることが、真の自由と尊厳の始まりである。


この句は、「自律型人材」「セルフリーダーシップ」「主観的幸福感」に通じる重要な教えです。

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