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心を揺さぶる芸術は、人の感覚すら変える

孔子は、斉の国を訪れた際に、伝説の聖王・舜(しゅん)を讃える「韶(しょう)」の音楽に出会った。
その美しさ、調和、そして深い精神性に心を奪われ、三か月もの間、肉を食べてもその味がわからないほど感動していたという。
孔子は驚きを込めて、「まさか、音楽がここまで人の心を動かすとは思わなかった」と述べた。
この体験は、芸術が単なる娯楽や技巧を超え、魂にまで響く力を持つことを示している。


原文・ふりがな付き引用

子(し)、斉(せい)に在(あ)りて韶(しょう)を聞(き)く。三月(さんげつ)、肉(にく)の味(あじ)を知らず。曰(い)わく、図(はか)らざりき、楽(がく)を為(な)すことの斯(ここ)に至(いた)るや。


注釈

  • 韶(しょう) … 舜王をたたえる伝説的な音楽。古代中国で最も高雅とされた楽。
  • 肉の味を知らず … 食事すら意識から外れるほど、心を深く打たれていた様子。
  • 図らざりき … 思いもよらなかった、想像を超えていたという驚きの表現。
  • 楽を為すことの斯に至るや … 音楽がここまで人を感動させるとは、という意味。芸術の極致に触れた驚きと賛美。
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