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月別利益計画の作成方法:在庫増減を考慮した利益計画の進め方

事業運営を効率化するためには、月別利益計画を作成し、経営の全体像を把握することが重要です。本記事では、利益計画を12か月分に分割し、在庫増減を反映させながら月別利益計画表を作成する具体的な手順を解説します。

目次

STEP 1:内部費用の割り付け

人件費、未来費用、一般経費、減価償却費などの「内部費用」を各月に配分します。特に人件費では、賞与などの変動費を考慮して以下の方法で計上します。


  • 年間人件費が30百万円で、そのうち賞与分が7月と12月に6百万円であれば、まず賞与分を引きます。
    [30百万円 – 6百万円 = 24百万円]
    残りを12か月で均等配分し、7月と12月は賞与分を加算します。
    [24百万円 ÷ 12 = 2百万円/月(7月・12月以外)]
    7月と12月には、それぞれ賞与分3百万円を加え、5百万円を記入します。

STEP 2:営業外損益の割り付け

営業外収益と営業外費用は、単純に12等分して各月に記入します。

STEP 3:売上高の割り付け

売上高は商品別・得意先別に計画を立て、それを各月に分配します。以下の方法を参考にしてください。

  • 季節変動がない場合:単純に12等分。
  • 季節変動がある場合:過去の実績を基に月別比率を設定。
  • 初めて計画を立てる場合:まずは12等分で試行。

STEP 4:粗利益の計算

各月の売上高に目標粗利益率を掛け算して計上します。この粗利益が「稼ぎ出すべき利益」の基準となります。

STEP 5:売上原価の計算

売上原価は以下の計算で求めます。
[売上高 – 粗利益 = 売上原価]
売上原価の内訳(商品仕入、材料費、外注加工費など)は、過去の実績比率や市場環境を参考に大まかに割り振って構いません。

STEP 6:営業利益・経常利益の算出

  • 営業利益:粗利益から内部費用を差し引いて計算。
  • 経常利益:営業利益から営業外損益を差し引いて算出。

小数点以下の処理は切り上げ・切り捨ていずれも自由です。

STEP 7:損益分岐点の計算

損益分岐点比率を計算して記入します。
[損益分岐点比率 = 固定費(内部費用+営業外損益)÷粗利益]
損益分岐点売上高は以下の方法で求めます。

  1. 損益分岐点比率 × 目標売上高
  2. 固定費 ÷ 粗利益率

STEP 8:労働分配率の計算

粗利益に対する人件費の割合を計算します。
[労働分配率 = 人件費 ÷ 粗利益 × 100]
結果はパーセント表示にします。

STEP 9:一人当たり指標の計算

売上高、粗利益、経費、経常利益を社員数で割り、各月ごとに記入します。

計画の活用と実績との差異の分析

計画を作成したら、それを社員全員と共有し、実績と照らし合わせて進捗を確認します。差異が出た場合は、その原因を追究し、改善点を見つけましょう。

計画が完璧である必要はありません。重要なのは、その計画を使って意思決定を行い、経営に役立てることです。

これらの手順を参考に、あなたの会社用の月別利益計画を作成してください。ポイントは「シンプルで明確」にすること。計画は、経営の道しるべとなる重要なツールです。

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