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土台なき上達はありえない――学びは基礎から

孔子は、学びの順序について明快に語っている。

中くらい以上の実力を備えている者には、より高い内容、上級のことを教えてよい。
しかし、まだ中くらいに達していない者には、そうした上級の話をすべきではない。
まずはしっかりと基本を教えるべきだ。

この教えは、学びには順序と段階があるという、極めて基本的ながらも見落とされがちな真理を示している。

基礎を固めずに応用に手を出すと、表面的な理解にとどまり、やがて壁にぶつかる。
一方で、基礎を丁寧に積み重ねた者は、やがて確実に応用を咀嚼し、自分のものにできる

また、孔子は「教える側」の心得としてもこの言葉を残しており、相手の理解度に応じた指導の必要性を説いている。
つまり、教えることも、学ぶことも“背伸び”ではなく“足元”から始めよということだ。


ふりがな付き原文

子(し)曰(いわ)く、
中人(ちゅうじん)以上は以(もっ)て上(じょう)を語(かた)るべきなり。
中人以下は以て上を語るべからざるなり。


注釈

  • 中人(ちゅうじん):中等の者。一定の基礎が身についており、学びの応用に入れる水準の人。
  • 上(じょう):上級の内容、深い道理や哲学的教え。
  • 語る(かたる):話す、教える、伝えるという意味。ここでは「教える対象にふさわしい段階かどうか」を問うている。
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