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■引用原文(日本語訳)
「馬のうちでは、私は甘露〔を得る際に〕生じたウッチャイヒシュラヴァスであると知れ。象王のうちのアイラーヴァタであると知れ。人間のうちでは王であると知れ。」
(『バガヴァッド・ギーター』第10章 第27節)
■逐語訳(一文ずつ)
- uccaiḥśravasaṁ aśvānāṁ viddhi mām amṛtodbhavam
→ 馬のうちでは、甘露の攪拌時に生じたウッチャイヒシュラヴァスを、私(の顕現)と知れ。 - airāvataṁ gajendrāṇāṁ
→ 象の王たちの中では、アイラーヴァタが私である。 - narāṇāṁ ca narādhipam
→ 人間の中では、王が私である。
■用語解説
- ウッチャイヒシュラヴァス(Uccaiḥśravas):乳海攪拌により生まれた神馬。七頭を持ち、最も高貴な馬とされ、天帝インドラの乗馬。
- 甘露(アムリタ):不死の霊薬。神と悪魔が乳海を攪拌して得ようとした。
- アイラーヴァタ(Airāvata):乳海攪拌の際に生まれた白象。四牙を持つ象王で、インドラの乗り物。
- 王(narādhipa):人間の統治者。ここでは「理想的な支配者・リーダー」を象徴。
■全体の現代語訳(まとめ)
「馬の中では、甘露獲得のときに生じた神馬ウッチャイヒシュラヴァスが私である。
象の中では、王者アイラーヴァタが私である。
人間の中では、王こそが私の現れであると知れ。」
■解釈と現代的意義
この節では、**「種の中で最も卓越したもの」**を通じて、神の顕現が語られます。
特にウッチャイヒシュラヴァスやアイラーヴァタなど、神話の中でも神聖な役割を果たす存在を挙げ、
「最も優れたものには神性が宿る」と示します。
また、「人間の中では王である」と述べることで、
統治する者(リーダー)には、特別な責任と神性が付与されているという政治的・倫理的示唆も含まれています。
■ビジネスにおける解釈と適用
観点 | 適用例 |
---|---|
製品戦略 | 自社の“ウッチャイヒシュラヴァス”となるフラッグシップ商品を育てる。 |
ブランド構築 | 業界内で“象徴的存在”となるポジション(=アイラーヴァタ)を目指す。 |
リーダー育成 | 組織の「王」は単なる管理職ではなく、“神の顕れ”としての責任と威厳を持つべし。 |
市場戦略 | トップ・オブ・トップ(最上級の象徴)で差別化し、物語性を加える。 |
■心得まとめ
「最上の象徴に、神の息吹を見よ」
この世界には、最も優れたものに神が宿る。
それは比類なき馬であり、王たる象であり、治める者である。
あなたが創るもの、あなたが成すリーダーシップもまた、
“その領域での神の現れ”となるべきである。
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