一般的に、人間性に優れている人を「人格者」と呼ぶことが多いですが、ビジネスの世界ではそれだけでは不十分です。
特に経営者に求められる人格者とは、単なる人間性ではなく、「数字を動かせる人」のことを指します。
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聖人君子では経営はできない
たとえ社長が倫理的に完璧であったとしても、3年連続で赤字を計上してしまえば、銀行からの信用は失われ、融資を受ける際に担保や個人保証を求められることになります。
経営の場では、数字を正しく管理し、改善する力こそが求められます。
数字で語る人格者
銀行から無担保で融資を受けることができる理由は、数字を用いて経営状況を正確に説明できたからです。
銀行の担当者からも、「会社の経営状態を数字で明確に伝えてくれる社長には融資がしやすい」と評価されました。
銀行を訪問する際には、次のように具体的な計画を数字で提示します。
- 今月の損益予測: マイナスいくらになるのか
- 来月の収支見通し: プラスに転じるタイミング
- その後の動向: 長期的な計画や期待値
これらの予測を定期的に報告し、その内容が実際に現実となることで、銀行からの信頼を得ることができます。
さらに、公共事業などの安定したプロジェクトが含まれる場合、銀行はリスクが少ないと判断し、さらに積極的に融資を検討してくれます。
銀行が見るのは「数字=人格」
銀行が評価するのは、社長個人の哲学や経営理念ではありません。銀行にとって重要なのは、客観的な数字を提示し、結果として利益を出す能力です。言い換えれば、銀行にとって「数字」がそのまま経営者の人格を表しているのです。
経営者としての人格者とは、「数字で信頼を築き、結果を出す力を持った人」のこと。数字を動かし、組織を成長させるその能力こそが、真の人格者たる証明なのです。
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