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経営に不可欠な3つの指標と効率改善のための数字の捉え方

前記事で、経営の基盤となる直接原価計算による「損益計算書」を再構築しました。

ここで注目すべきは、以下の3つの重要な指標です。

目次

注目すべき3つの数字

  1. 売上高
  2. 粗利益
  3. 経常利益

これらは経営者が常に意識し、頭に入れておくべき基本の数字です。この3つを把握したうえで、経営改善のために注視すべき具体的な項目として以下が挙げられます。

損益分岐点を把握する: 赤字ラインを見極める

損益分岐点とは、経常利益がゼロになる売上高を示します。

これを現状の売上高に対する割合(損益分岐点比率)で把握することが重要です。この比率を知ることで、売上が何%減少したら赤字になるのかが分かります。

損益分岐点比率の計算方法

[ 固定費 ÷ 粗利益 ]

例: 固定費が40、粗利益が50の場合

[ 40 ÷ 50 = 0.8 ]

損益分岐点比率は80%となり、売上高が現状より20%以上減ると赤字に転じることがわかります。

損益分岐点売上高の計算

[ 売上高 × 損益分岐点比率 ]

例: 売上高が100の場合

[ 100 × 0.8 = 80 ]

売上高が80を下回ると赤字です。損益分岐点を明確に把握することで、リスク管理が可能になります。


労働分配率を理解する: 生産性と経営効率を測る

労働分配率は、粗利益に対する人件費の割合を示します。この指標は、生産性や経営の効率性を測る際に重要です。

労働分配率の計算方法

[ 人件費 ÷ 粗利益 ]

例: 人件費が30、粗利益が50の場合

[ 30 ÷ 50 = 0.6 ]

労働分配率は60%となります。この数値を使えば、計画上での人件費削減や効率化を具体的に進めることが可能です。

労働生産性との関係

労働分配率を逆算することで労働生産性を導き出せます。この視点を活用することで、人件費を削減するだけでなく、粗利益を増やす重要性に気付けます。経営の効率改善は、生産性向上を目指す方向で進めるべきです。

一人当たり生産性を把握する: 社員の利益効率を考える

一人当たり生産性とは、社員一人がどれだけの粗利益を生み出しているかを示します。この数字は、経営の健全性を確認するうえで重要です。

一人当たり生産性の計算方法

[ 粗利益 ÷ 社員数 ]

一人当たり生産性を向上させるには、粗利益の増加を目指す必要があります。ここで重要なのは、人件費の削減ではなく、収益力を高めることです。特に中小企業では、給料水準が低いことが多いため、社員の待遇を改善するためにも粗利益の増加が不可欠です。

結論: 数字を基に経営の方向性を決める

損益分岐点、労働分配率、一人当たり生産性といった指標を明確に把握することで、経営の改善策が具体的に見えてきます。これらの数値を無視して経営方針を立てても効果的な改善にはつながりません。

正確なデータを基に「どう利益を増やすか」を計画することが、持続可能な成長の鍵となります。

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