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信じ、念じ、尽くす者――そのすべてを、道は愛する

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■引用原文(日本語訳)

「しかし、以上述べた、この正しい甘露(不死)〔の教え〕を念想し、信仰し、私に専念する信者たち、彼らは私にとってこよなく愛しい。」
(『バガヴァッド・ギーター』第12章 第20節)

■逐語訳

しかし、
この上記の「不死に至る真理(アムリタ・ダルマ)」を、
信仰をもって(シュラッダー)、
心に念じ(アナスンディヤント)、
私に専心する者たち(マッド・パラマー・バクター)――
彼らは皆、私にとってこの上なく愛しい存在である(テ・アティヴァ・メ・プリヤーハ)。

■用語解説

  • 甘露(アムリタ):直訳は「不死の霊薬」。ここでは、霊的な永遠の真理や徳の教えのこと。
  • 念想(アヌスマラナ/アナスンディヤント):深く心に留め、忘れずに思い続けること。
  • 信仰(シュラッダー):理屈を超えた深い信頼・誠意・尊敬の心。
  • 専心する(マッド・パラマー):人生の最高の目標を神(クリシュナ)に置いて、一途に仕えること。
  • こよなく愛しい(アティヴァ・プリヤ):単なる好意ではなく、最も深い愛情・敬愛・霊的親密さを意味する。

■全体の現代語訳(まとめ)

この章で語られた「永遠に至る教え」を心に深く思い、信仰をもって、私を最も高い目的として仕える者たち――彼らこそ、私にとって最も愛すべき存在である。

■解釈と現代的意義

この節は、第12章13節から19節にかけて語られた理想の人格(愛される信者)像を総括し、
「それを実践しようと努め、信じ、心に念じるすべての者」は、神(真理)にとって最も愛しい存在であると明言します。

完全に実現できていなくても、この教えに共感し、信じ、歩もうとする心そのものが、尊いのだ――それがこの節の真髄です。

■ビジネスにおける解釈と適用

観点適用例
理想を信じ、目指す姿勢完璧な人格者でなくても、「どう生きるべきか」を意識し、理想を目指して努力する人が、周囲からもっとも尊敬される。
誠実な行動と一貫性深く信じる価値観を持ち、その価値に基づいて行動する人は、組織の信頼の核となる。
道に忠実な人材育成完璧な人より、成長しようと誠実に歩み続ける人材を評価する文化が、持続的な組織をつくる。

■心得まとめ

「完全でなくとも、信じ、歩む者を、道は愛す」
ギーターは、理想的な生き方を多く説いたが、そのすべてを完全に実現できる人だけが“愛される”わけではない。
むしろ、その理想を信じ、心に抱き、誠実に歩もうとするすべての人を、道(神)は深く愛する。
私たちは、完璧ではなくてよい。大切なのは、信じ、念じ、尽くし続ける心――そこに、真の道と愛は宿る。

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