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欲望により真理を見失う


目次

■原文

種々の欲望によりその知識を奪われた人々は、各自の本性*により定められた、他の神々に帰依する。各々の戒行*に依拠して。
(第7章・第20節)


■書き下し文

種々の欲望によってその知識を奪われた人々は、それぞれの本性に従い、他の神々に帰依し、それぞれの戒行に則って信仰する。


■現代語訳(逐語/一文ずつ)

  • 種々の欲望によりその知識を奪われた人々は、
     → 様々な欲望に心をとらわれ、本来の知性や真理を見失った人々は、
  • 各自の本性により定められた、他の神々に帰依する。
     → その人それぞれの性質(傾向・心のあり方)に基づいて、至高神ではなく多様な神々に帰依するようになる。
  • 各々の戒行に依拠して。
     → それぞれが信じる規律や儀礼に従って信仰を実践する。

■用語解説

  • 欲望(カーマ):物質的・感覚的な欲求。精神を覆い、真理から逸らすもの。
  • 知識を奪われる(アハリタ・ジュニャーナ):「知性の力が遮られる」こと。迷妄や偏見により真理を見失う状態。
  • 本性(プラクリティ):生まれ持った性質や気質。個々人の行動傾向を規定する自然本性。
  • 他の神々(アニャ・デーヴァターハ):至高者(クリシュナ/ヴァースデーヴァ)以外の神々。自然力・特定機能の象徴。
  • 戒行(ニヤマ):儀礼・戒律・信仰の実践方式。

■全体の現代語訳(まとめ)

欲望によって真理を見失った人々は、自らの生まれ持った性質に従い、至高神以外の様々な神々に帰依する。そして、それぞれの戒律や儀式に基づいた信仰を行うようになる。


■解釈と現代的意義

この節では、真理から逸れる原因として「欲望」が挙げられています。本来の知性や霊的理解が損なわれると、人は自らの傾向性に引き寄せられ、自身に合った宗教や儀式に走るという人間の心理的傾向を示しています。それ自体は悪ではありませんが、至高者を見失う可能性があるという警告も含まれています。


■ビジネスにおける解釈と適用(個別解説付き)

  • 欲望が判断を鈍らせる
     → 目先の利益や欲望に支配されると、本来あるべき経営判断やビジョンを見失いやすくなる。
     → 「短期の誘惑は長期の使命を曇らせる」
  • 各自の性質により選ぶ対象が変わる
     → 人は自分の性格・傾向に合ったリーダーや理念に引き寄せられる。組織内でも、それぞれの資質に応じた役割設計が必要。
     → 「人の選択は、その人の本性の表現である」
  • 儀式や慣習が真理に代わることがある
     → 形式(マニュアル、手続き、KPI)ばかりが重視され、根本の目的(顧客満足、社会貢献)が忘れられる危険がある。
     → 「形式の信仰は、理念の喪失である」

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