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素直であること、それが人として生きる土台である

孔子は、人が人として生きていくうえで何よりも大切なものについて、こう語った。

人が生きていけるのは、“直(なお)さ”、つまり素直さ・誠実さを持っているからだ。
これを欠いたまま生きているように見える人は、たまたま運よく災いを免れているだけに過ぎない。

ここで言う「直」とは、頑なさではなく、自分の心に正直であり、他人と真っ直ぐに向き合う素朴な誠実さ、自然な人情のあらわれを指している。

孔子の言葉には、人間関係も社会生活も、すべてはこの“直さ”によって成立しているという洞察が込められている。
たとえ一時的に成功しているように見えても、誠実さを欠いた生き方は、やがて信頼を失い、破綻してしまう。

一方で、素直で、まっすぐに人と向き合う姿勢は、シンプルでありながらも、最も強く、確かな生き方である。
それは運に頼らず、人生の土台そのものを安定させる力となる。


ふりがな付き原文

子(し)曰(いわ)く、
人(ひと)の生(い)くるや直(なお)し。
之(これ)を罔(な)くして生くるや、
幸(さいわ)いにして免(まぬが)るるなり。


注釈

  • 直(なお)し:素直さ、まっすぐさ、誠実な心の在り方。人情の自然さとも言える。
  • 之を罔くして:これ(=素直さ)を持たずに。
  • 免るる(まぬがるる)なり:一時的に災いを免れているに過ぎないこと。長続きしない状態を示す。

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