目次
📖 原文(第33章 第81偈)
熱心につとめ瞑想しているバラモンにとって、
これらの徳が現われるとき、
かれは全世界を照らしている。
太陽が昇ったときに空中を照らすように。
📘 逐語訳と用語解説
句 | 解釈 |
---|---|
熱心につとめ瞑想しているバラモンにとって | 精進して修行に励む者にとって(ここでの「バラモン」は内面の清浄さを得た人のこと) |
これらの徳が現れるとき | 慈悲、寛容、真理への専念、欲望の克服などの高い精神的資質が内面に現れたとき |
かれは全世界を照らしている | その人の在り方・生き方が周囲に光明を与え、広く良い影響を及ぼしている様子 |
太陽が昇ったときに空中を照らすように | 内に備わった徳が、外界に明るさと温もりを与える比喩的表現 |
🗣 全体の現代語訳(まとめ)
熱心に修行し、深く瞑想に励む人が
慈しみ、誠実、無執着などの「徳」を身につけると、
その人は自然に周囲を明るく照らすようになる。
ちょうど、太陽が東の空から昇ると
空全体を光で満たすように、
内なる光を得たその人の存在は、
全世界に希望と気づきを与える存在となるのだ。
🧠 解釈と現代的意義
この偈は、**「内面の完成は、外界に自然と影響を及ぼす」**という真理を示しています。
世の中を変えたい、影響力を持ちたいと願うとき、
まず必要なのは「外に向かう力」ではなく、
内なる徳の涵養です。
太陽が黙って昇るだけで世界を照らすように、
本物のリーダーや人格者は、言葉以上にその存在そのものが周囲を照らすのです。
🏢 ビジネスにおける解釈と適用
領域 | 応用の視点 |
---|---|
リーダーシップ | スキルではなく「人としての在り方」でチームに光をもたらす。行動や言動が自然と規範になる。 |
マネジメント | 指示命令よりも、誠実さ・透明性・一貫性ある姿勢が組織文化に浸透する。 |
自己成長 | 外部に影響を与える前に、徳を積むことが重要。「なにをやるか」よりも「どうあるか」が影響を生む。 |
ブランド哲学 | 自社の価値観や在り方そのものが、社会に「光」となるようなブランドになることを目指すべき。 |
💡 感興のことば:心得まとめ
「太陽のような人物になるには、まず内に光を灯せ。」
世界を照らしたいなら、自分自身を明るくせよ。
内に徳を備えた者は、静かに、確かに、
人々の道しるべとなる。
この偈は、前節(第76〜80偈)とあわせて「修行の成果」や「徳の顕現」が、
いかに個人の枠を超えて広く世界に波及するかを描いています。
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