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善き行いこそが、来世を照らす光となる


目次

📖 引用原文

それ故に、来世のために功徳を積め。
功徳は実にあの世における人々のよりどころであるからである。

——『ダンマパダ(法句経)』第5章 第二十二句


🧩 逐語訳

  • それ故に、来世のために功徳を積め。
     だからこそ、死後の世界に備えて、善き行い(功徳)を日々重ねなさい。
  • 功徳は実にあの世における人々のよりどころであるからである。
     この世を去った後、頼りにできるのは財でも地位でもなく、
     自らがなした善行(功徳)だけが、その人を支えてくれる。

🔍 用語解説

用語解説
功徳(くどく)善意・慈悲・戒律の実践・布施・礼拝・奉仕などによって積み重ねられる徳。心と行為の積善。
来世仏教における輪廻の次の生、または死後の世界。天・人・修羅・畜生・餓鬼・地獄のいずれかに生まれ変わる。
よりどころ心の支え・存在の基盤。あの世では地位も財も通用せず、ただ「業(カルマ)」が基準となる。

🗣 全体の現代語訳(まとめ)

だからこそ、未来の生に備えて、日々善い行いを積み重ねなさい。
この世で築いた功徳は、死後もあなたを守る唯一の拠りどころとなる。
すべてのものが失われても、「徳」だけは永遠にあなたに付き添う。


🧠 解釈と現代的意義

この句は、前句(第二十一句)と連続した教えであり、
死後の世界でも役に立つ**「徳」=功徳の蓄積**を勧めています。
仏教では、どんなに富や名声があっても、それはあの世には持ち越せません。
唯一持ち越せるのが、行為(カルマ)の結果=功徳または悪業です。

そしてこの句は、死のその先だけでなく、
未来の自分、明日の自分にとって何が真に価値あるものかを問う道標でもあります。


💼 ビジネスにおける解釈と適用

観点適用例
組織文化の構築数字や成果を超えて、「人の役に立った」「信頼を得た」という行動は、長期的な信用資産になる。
キャリアビジョンすぐに成果が見えなくても、「誰かのために動く」「丁寧に働く」という姿勢が、未来の機会や応援を引き寄せる。
リーダーシップ部下や同僚に善意をもって接し、誠実な判断を下すことが、後に「信頼」という形で自分を支える。
CSR・社会貢献短期的利益ではなく、社会や環境にとって良いことをする企業は、時を超えて愛される「功徳の組織」となる。

🧭 心得まとめ

「財も名声も滅びるが、功徳は朽ちない。
徳を積め、それがあなたの魂の通貨である」

目先の成果や報酬に目が行きがちな現代において、
この一句は、**「時間を超えて残る価値とは何か」**を私たちに問いかけます。

功徳とは、誰かを思いやる心、正しく行動しようとする努力、
社会の役に立ちたいという純粋な動機の積み重ねです。
それはたとえ報われなくても、やがて人生の節目で見えない支えとなって現れる。

人生の最後に、あなたを迎えるのは、あなたが日々なしてきた善である。
それを思えば、いま積むべきものは明らかです。


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