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疑惑の霧を晴らすのは、信の光


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■引用原文(日本語訳)

クリシュナよ、この私の疑惑を残らず断ち切ってくれ。
この疑惑を断つ人は、あなた以外にあり得ないから。
―『バガヴァッド・ギーター』第6章 第39節


■逐語訳(一文ずつ)

  • クリシュナよ、
  • 私のこの疑惑を完全に断ち切ってください。
  • この疑惑を晴らすことができるのは、
  • あなた以外に誰もいないのです。

■用語解説

  • 疑惑(サンシャヤ):精神的混乱・不安・迷いを意味し、霊的成長を阻む障害とされる。
  • 断つ(チヘットゥム):文字通り「切る」ことだが、ここでは「明確にする」「解消する」の意。
  • あなた以外にあり得ない(ナ ヒ トヴァッド アニュアハ):クリシュナに対する絶対的信頼と帰依を表す。

■全体の現代語訳(まとめ)

アルジュナは嘆願する――
「クリシュナよ、どうか私のこの深い疑念をすべて断ち切ってください。
この心の迷いを消し去ってくれる存在は、あなた以外にいません。
あなたの言葉だけが、私を真理へ導けるのです。」


■解釈と現代的意義

この節はアルジュナの謙虚な信頼表明です。彼は問うだけでなく、「答えを受け入れる準備」が整ったことを表しています。

ポイントは以下の通りです:

  • 自力では答えを出せないことの認識(知の限界の自覚)
  • 他者、特に導師の存在への信頼(「あなた以外にあり得ない」)
  • 疑念の放置は進歩を阻む(疑念を「断つ」必要性)

現代においても、「不安」や「選択の迷い」を感じる場面で、自ら「信頼する指導者」や「確かな価値観」に問いを投げかけ、心の整理をする姿勢が大切です。


■ビジネスにおける解釈と適用

観点解釈と応用例
リーダーシップ部下が不安や迷いを抱えたとき、「この人なら導いてくれる」という信頼を寄せられる上司は、組織の柱となる。
メンタリングメンターは、指導相手の「疑惑を断つ者」として、聴き・支え・明確にする責任がある。
意思決定経営判断において、「情報不足」よりも「疑念の残存」が最大の障害。疑いは早期に解消すべき。
組織文化「何を信じて良いか分からない」という状態を許容せず、価値観と判断軸を明示する文化形成が重要。

■心得まとめ

「疑いを断つ剣は、信により鍛えられる」

心が迷えば、行動は鈍る。
疑念が晴れねば、道は拓けない。

確信は、独りでは築けぬ。
求めよ、語れ、委ねよ。
信じる者の導きが、迷いの霧を晴らすだろう。


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