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偽りは魂を蝕み、真実は魂を救う


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📜 引用原文(日本語訳)

第二二章 地獄 三〇六偈
いつわりを語る人、あるいは自分がしておきながら「わたしはしませんでした」と言う人。
この両者は死後にはひとしくなる、来世では行ないの下劣な業をもった人々なのである。
――『ダンマパダ』第二二章「地獄」三〇六偈


🔍 逐語訳

  • いつわりを語る人:事実と異なることを故意に言う者。
  • 自分がしておきながら「しなかった」と言う人:自らの行為を隠し、否認する者。
  • 死後にはひとしくなる:死後の結果は同じであり、両者とも苦しみの報いを受ける。
  • 行ないの下劣な業をもった人々:悪しき行為(カルマ)を積んだ者たちは、次生でも劣った報いを受ける。

🧩 用語解説

  • いつわり(虚言):真実を隠し、他者を欺く言葉。仏教では五戒の一つである「妄語戒」にあたる。
  • 業(カルマ):身体・言葉・心による行為とその結果。善悪を問わず、未来の結果を生む原因となる。
  • 来世:輪廻の中で次に生まれ変わる生。現在の行為(業)が来世の状況を決定する。
  • 地獄(ナラカ):悪業により堕ちる世界。仏教では最も苦しみの多い存在形態とされる。

🗣️ 全体現代語訳(まとめ)

嘘をつく人、そして自分の過ちを認めずに否定する人――彼らは、たとえ表面的には違って見えても、来世において同様に苦しみの報いを受ける。どちらも真実から遠く、魂の浄化とは逆方向に向かっているため、死後においては等しく「悪しき行為者」として扱われる。


🧠 解釈と現代的意義

この偈は、「言葉の責任」と「自己誠実」の重要性を説いています。
言葉は単なる音ではなく、真実を守るか、破壊するかの業を持っています。自らの過ちを偽って否定することは、自分の心をも欺き、魂を暗くする行為です。
社会においても、信頼は透明性と自己開示の上に成り立っています。短期的に逃れられたとしても、長期的には必ずその報いが返ってくるという道理が示されています。


💼 ビジネスにおける解釈と適用

観点適用例
信頼構築嘘やごまかしをせず、ミスは誠実に報告・説明することで、長期的な信頼関係を築ける。
誠実な自己開示問題を他人のせいにしたり、責任回避をする行為は、チームの信頼と士気を損なう。
エシカル経営嘘をベースにしたマーケティングや数字操作は、企業としての信用失墜につながる。
リーダーシップリーダーが自らの過ちを認め、正直に語ることは、組織文化に良い影響を与える。

🧘 心得まとめ

「一つの嘘が、魂を地に落とす。真実を語る者こそ、自由を得る」

嘘をつくこと、過ちを隠すことは、その場しのぎの利得を得るかもしれませんが、長い目で見れば、信頼・人格・そして未来の行方に重い影を落とします
仕事でも人間関係でも、「誠実であること」は最大の強さであり、真の解放への道なのです。


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