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人は人によって育てられる――学ぶに値する人が、己を磨く鏡となる

よき師、よき友に囲まれてこそ、君子は磨かれる

孔子は、弟子の子賤(しせん)を評して「まさしく君子である」と称えた。
そのうえで、彼がそのような立派な人物に育った背景には、「魯の国に君子たちがいたからだ」と語った。
つまり、学ぶに値する師や良き仲間、徳のある人物たちに囲まれ、刺激を受ける環境こそが、人を高めるのだと。
「もしそのような人たちがいなかったとしたら、彼はどこからその立派さを学んだのか」という問いかけは、
人の成長における“環境の重要性”を、孔子が強く意識していた証である。
どんなに素質があっても、一人で高みに至ることはできない。
学び合う仲間、見習う人物、それらがあってこそ、人格は育つのである。


原文とふりがな付き引用

子(し)、子賤(しせん)を謂(い)う。君子(くんし)なるかな、若(し)き人。
魯(ろ)に君子なる者無(な)くんば、斯(こ)の斯(これ)を焉(いず)くにか取(と)らん。

君子が育つには、君子に学ぶ環境がいる。
人は人に触れて、育てられるのだ。


注釈

  • 子賤(しせん)…孔子の晩年の高弟のひとり。本名は冉求。才知と実行力を兼ねた人物とされる。
  • 君子なるかな…人格者である、本当に立派な人物だという最大級の称賛。
  • 魯に君子なる者無くんば…もしこの地に手本となる人物がいなかったとしたら。
  • 斯れ焉にか斯を取らん…「彼は一体どこで(その徳を)学んだというのか?」という反語表現。
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