人々に敬意と忠誠を持たせ、勤勉に励ませたいのであれば、まず上に立つ者自身がその姿を示すべきである。
威厳をもって接すれば、自然と敬意が生まれ、親孝行や思いやりを実践すれば、部下の忠誠心も育つ。
また、有能な人を積極的に登用し、能力の足りない者には丁寧に教えること――このようにしてこそ、組織全体がやる気に満ちていく。
「之(これ)に臨(のぞ)むに荘(そう)を以(もっ)てすれば則(すなわ)ち敬(けい)し、孝慈(こうじ)なれば則ち忠(ちゅう)なり。善(ぜん)を挙(あ)げて不能(ふのう)を教(おし)うれば則ち勧(すす)まん」
上に立つ者は、言葉ではなく態度と行動で示すべし。それが周囲を動かす最も確かな方法である。
※注:
- 「季康子」…魯の有力な大夫。孔子にしばしば政治的助言を求めた。
- 「荘」…威厳・品格ある態度。
- 「孝慈」…親に孝行し、人に思いやりを持つ徳。
- 「勧む」…努力する気持ちを起こさせること。動機づけ。
コメント