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怠惰と邪見に流されず、まっすぐに生きよ


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■引用原文(『ダンマパダ』第十三章 第167偈)

下劣なしかたになじむな。怠けてふわふわと暮すな。邪な見解をいだくな。世俗のわずらいをふやすな。
― 『ダンマパダ』第167偈(中村元訳)


■逐語訳(意訳を交えた逐文解釈)

  • 下劣なしかたになじむな:品位を欠くような行いに慣れてはならない。
  • 怠けてふわふわと暮すな:努力を避け、気楽に流されて生きるな。
  • 邪な見解をいだくな:正しい教えに背き、誤った考え方を持つな。
  • 世俗のわずらいをふやすな:物欲や世間的執着を追い求めて悩みを増やすな。

■用語解説

  • 下劣なしかた:道徳的に劣った行為や、人格を堕落させるような生活態度。
  • ふわふわと暮す:規律も目標もなく、快楽や怠惰に身を任せて生きる様。
  • 邪な見解(邪見):真理を否定し、自他を害する誤った思想や価値観。
  • 世俗のわずらい:所有・名声・愛欲・地位など、執着によって心を乱す俗世的欲求。

■全体の現代語訳(まとめ)

「卑しい行いに慣れてはならない。怠惰に流れて楽を求めてはならない。正しい教えを否定し、誤った考えに染まってはならない。欲望に引きずられて、心の悩みを増やしてはならない。」
これは、誠実で正しく、内面的な静けさを保つための警句である。


■解釈と現代的意義

この偈は、仏教の基本精神である「正見」「精進」「戒律」の大切さを端的に表しています。現代の社会においても、人はつい楽な道、自己中心的な見解、欲望を満たす選択に流されがちです。しかしそれは、心の自由をむしろ損なう原因となります。

だからこそ、この句は「日々の選択を正しく保ち、自分を律することの重要さ」を教えてくれます。人生における真の自由や安らぎは、快楽や逃避ではなく、誠実で着実な歩みの中にこそあるのです。


■ビジネスにおける解釈と適用

観点適用例
倫理観と行動安易な近道や裏技に流されず、時間はかかっても正道を選ぶ。顧客や仲間からの信頼が生まれる。
態度と習慣怠け心に流されず、継続的に小さな努力を重ねる姿勢が成果を生む。
意思決定自分の欲求や感情に振り回されず、長期的視点で判断する力を育てる。
情報と信念噂や表層的な意見に左右されず、本質的・客観的な見解に基づいた行動をとる。

■心得まとめ

「堕ちやすき道こそ避けよ。まっすぐに、静かに、正しく歩め。」

『ダンマパダ』のこの教えは、現代の忙しく誘惑の多い社会においてこそ、大きな意味を持ちます。
目先の利益や怠惰に流されず、邪な考えを退け、誠実に自己を律する人は、最終的にもっとも豊かな成果と心の平安を得ることができるのです。


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