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成果達成指導③!「誤りの法則」とZDは矛盾するか


「誤りの法則」と「ZD運動」は、結果志向と欠点を減らすという対照的なアプローチを提唱しています。一方では、結果が良ければ過程は問題ではないと主張し、エラーを許容する「誤りの法則」があります。

他方で、「ZD運動」は欠点をゼロにすることを追求します。これらのアプローチは同じ企業で同時に採用され、混乱を招いていますが、実際には矛盾していないと著者は主張します。

誤りはエラーとミスの2つに分かれ、エラーは許容されるべきだが、ミスは許容されず修正されるべきだと説明されています。この違いを理解すれば、2つのアプローチを調和させることができ、混乱は解消されると述べられています。

目次

「誤りの法則」とZDは矛盾するか

シュレイは、権限について〝誤りの法則〟という新しい概念を、われわれの前に提示した。

われわれの仕事というのは、結果を手に入れるためであるから、結果さえよければ、やり方はどうでもいいというのだ。従来のやり方に焦点を合わせた考え方は捨て去らなければならない、というのである。

やり方は当人に任せる、当人は新しい方法をどんどん試みることができる、新しいやり方には当然のこととして誤りも起こる、その誤りは「大目にみてやる」必要がある、というのだ。

そしてまた、権限というのは、この「誤りをおかす自由」のことである、というのである。まことに当然のことながら、伝統的管理論の革命である。筆者もこの考え方には賛成である。

ところが、一方に、「ZD運動」という思想がある(*3)。

「欠点を零にする」というZDの思想と、「誤りを大目にみる」という目標管理の考え方が、同一の企業に同時に導入されて、現実に混乱が起こっているのである。

これについては、目標管理の先生がたも、ZDの先生がたも、何もふれていない。

マネジメント論の被害者は常に企業体の人びとなのだ。この二つの矛盾したような考え方は、実は矛盾していないのである。ただ、教える先生がたが知らないだけなのだ。

誤りには二種類がある。

一つは意志決定の誤りであり、これを「エラー」という。もう一つは実施の誤り、つまり結果が間違っているのであり、これを「ミス」という。

設計の誤りがエラーであり、加工の誤りがミスなのである。

目標管理で誤りというのは、エラーのことであり、ZDの欠点というのは、ミスのことなのである。

エラーは、あるところまでは許されるというのは当然のことである。これを許さないということになれば、新しい試みはだれもやらなくなる。

誤りをおかすことによって、人間は反省し、向上するのだ。しかし、ミスはそのままにしておくわけにはいかない。

たとえそれがエラーから導き出されたものであっても、実施上のミスであっても、いかなる理由があろうとも、ミスをそのままにしておくことは許されない。

正しい結果が出るまで、やりなおすのである。

以上を要約すれば、「意志決定の誤りは大目にみてよい。しかし、結果に誤りを織りこんではいけない」ということなのである。

エラーとミスの区別をよくわきまえておれば、混乱することはないのだ。

まとめ

このテキストでは、「誤りの法則」と「ZD運動」のアプローチの対立について議論されています。誤りの法則は、結果を優先し、過程に対して柔軟なアプローチを提唱しています。

一方、ZD運動は欠点を最小限に抑えることに焦点を当てています。これらのアプローチは同じ企業内で同時に採用され、混乱を引き起こしていますが、著者は実際には矛盾していないと主張しています。

誤りはエラーとミスの2つに分かれ、エラーは許容され、ミスは修正されるべきだと説明されています。エラーは反省と学習の機会を提供し、ミスは許容されないと強調されています。

したがって、これらの異なるアプローチを調和させることが可能であり、混乱を回避するためにはエラーとミスを区別する必要があると結論しています。

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