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一つなるものを、多様に敬う――知識もまた祈りとなる


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■引用原文(日本語訳)

また他の人々は、知識の祭祀で供養して私を念想する。
唯一のものとして、また個別的なものとして。
多様に現われ、あらゆる方角に顔を向けた私を。
(『バガヴァッド・ギーター』第9章 第15節)


■逐語訳(一文ずつ訳す)

  • 他の人々(敬虔な知者たち)は、
  • 知識という祭祀(ジュニャーナ・ヤジュニャ)を通して私を礼拝し、
  • 私を「唯一なる存在」として、
  • また「個別的な現れ」としても、
  • あらゆる方角に顔を向ける多様な姿として想起し、念想している。

■用語解説

  • 知識の祭祀(ジュニャーナ・ヤジュニャ):神聖な知識・学び・思索を通じて行う供養・礼拝。学ぶこと自体が信仰の一部。
  • 唯一のもの(エーカム):宇宙の根本・絶対的一者(ブラフマン)としての神。
  • 個別的なもの(プラティク・ルーパ):具体的な神格・姿・象徴としての神の顕れ(クリシュナ、シヴァ、女神など)。
  • 多様な姿(ヴィシュヴァム・ムカム):宇宙のあらゆる方向に広がる神の遍在性。万物に宿る神の姿。

■全体の現代語訳(まとめ)

ある人々は、神への祈りとして知識を学び、
宇宙の根源としての唯一なる神を礼拝し、
またそれが様々な形で現れることを理解し、
どんな姿にも神が宿ると信じて、
すべての方角に向かって神を想う――そうして私を念想している。


■解釈と現代的意義

この節は、祈りや信仰は形式だけではなく「知ること」「理解すること」そのものにもあると示しています。
また、神=真理=本質的価値は、一つでありながら多様に表れるという柔軟で包括的な世界観が説かれています。
これは現代において、「多様性を内包する一貫性」や「知性と精神の統合」を考えるうえで非常に示唆に富みます。


■ビジネスにおける解釈と適用

観点適用例
知の実践としての行動学ぶことや考えることそのものが、自身や組織の成長への「供養」であると捉える態度。
多様性と本質の統合様々な立場・文化・役割の違いを超えた「共通の理念(ミッション)」に基づく経営が持続可能性を生む。
統合的思考論理・感情・信仰・現場感覚をバランスよく統合し、多面的に物事を捉えるリーダーが組織を導く。
尊重の姿勢見た目・形式が違っても、すべての中に価値や尊さを見出すことが、真のリーダーシップにつながる。

■心得まとめ

「学びもまた祈り、多様性の中に真理を見る」

真理は一つであっても、姿を変えて現れる。
学びによってそれを知り、敬い、すべての中に尊さを見出す。
信仰とは、ただ拝むことではなく、理解し、認め、心を込めて向き合うこと。
ビジネスにおいても、人の違いを受け入れ、本質を見抜く力が、強くしなやかな組織をつくる。

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