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【4-23】利己を離れ、知識に立脚せよ

目次

◆第4章 第23節による心得

●原文引用

「執着を離れ、〔束縛から〕解放され、その心が知識において確立し、祭祀のために行為する人にとって、その行為は完全に解消する。」(第4章 第23節)


●逐語訳(一文ずつ訳す)

  • 「執着を離れ」
     → 結果や報酬への執着を手放し、
  • 「〔束縛から〕解放され」
     → 欲望やカルマによる束縛から自由であり、
  • 「その心が知識において確立し」
     → 真理の智慧(ヨーガ的知識)を心のよりどころとして、
  • 「祭祀のために行為する人にとって」
     → 自己の利益のためではなく、宇宙の秩序(ダルマ)のために、義務として行動する者にとっては、
  • 「その行為は完全に解消する」
     → その行為はカルマとしての影響を残さず、魂に痕跡を残さない(すなわち、再生の原因とならない)。

●用語解説

  • 執着(saṅga):報酬や結果への依存・こだわり。
  • 束縛(bandhana):行為や欲望による魂への影響。
  • 知識において確立(jñāna-āvasthita-citta):真理への理解と自己認識に基づいた心の状態。
  • 祭祀のために行為(yajñārtha-karma):自己を超えた目的のための利他的な行為。
  • 行為が解消する(karmasamgraha-nivṛtti):行為が結果を残さず終わること。カルマが蓄積されないこと。

●全体の現代語訳(まとめ)

報酬への執着を捨て、カルマの束縛から解放され、真理の智慧に心を定めて、利他的に祭祀のように行動する人は、その行為によって悪業も善業も蓄積されることはなく、自由の境地に至る。


●解釈と現代的意義

この節は「行為は、心のあり方次第で結果が変わる」ことを示しています。動機が私欲でなく、智慧に基づいていれば、たとえ行動していてもカルマの痕跡を残さない ― これはインド哲学の「行為からの自由(カルマの解脱)」の核心です。


●ビジネスにおける解釈と適用

視点解釈・応用
結果より動機重視事業や活動を利他・社会貢献の意識で行うことで、執着やストレスから解放される。
知識に基づく判断感情や衝動ではなく、原理原則や経営哲学に基づいた冷静な判断を心がける。
行為の浄化評価や利益にこだわらず、自他のために働く姿勢が、長期的な信頼と成果をもたらす。

●ビジネス用の心得タイトル

「利己を離れ、知識に立脚せよ」
(――その行為はあなたを縛らず、自由をもたらす)

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