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知と意志にも、心の質が現れる


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■引用原文(日本語訳)

「知性の区別と堅固(充足)の区別も、要素に応じて三種類である。それを別個に、残らず説くから聞け。アルジュナ。」
(バガヴァッド・ギーター 第18章 第29節)


■逐語訳

アルジュナよ、
今から「知性(ブッディ)」と「堅固(ドリティ)=意志・持続力」の違いについて説く。
これらもまた、三つの性質(グナ)――
**純質(サットヴァ)・激質(ラジャス)・暗質(タマス)**によって分類される。
それぞれの特徴を明らかに語るので、よく聞きなさい。


■用語解説

  • 知性(ブッディ):識別力、判断力。正しいか誤っているかを見極める力。
  • 堅固(ドリティ):意志の強さ。決めたことを継続・貫く力。精神的な持久力。
  • 三種の要素(トリグナ)
     - 純質(サットヴァ):光明・調和・知性。
     - 激質(ラジャス):衝動・情熱・欲望。
     - 暗質(タマス):怠惰・無知・混沌。

■全体の現代語訳(まとめ)

クリシュナはアルジュナに対して、
これから「知性と意志の三つの性質による分類」を明らかに説くと宣言する。
すべての人の行動だけでなく、思考の質・判断の質・意志の力もまた、
心の内にある三つの要素によって大きく左右されているのだと示している。


■解釈と現代的意義

この節は、ギーター後半の核心にあたる「内的資質の見極め」に入る前置きです。
単に行動を正すのではなく、行動を生み出す「判断力(知性)」と「継続力(意志)」そのものの質を知ることが重要であると説いています。
これは、現代においても「思考力・判断力・意思力の磨き方」が成長の鍵であることを意味しています。


■ビジネスにおける解釈と適用

観点実務での適用例
意思決定の質正しい情報と価値観に基づいて判断できるか。それとも欲望や焦りで誤るか。知性の質が問われる。
意志の強さやると決めたことを継続できるか。誘惑や苦難で折れてしまうのか。ドリティ(堅固さ)の違いが成果を左右する。
セルフマネジメント精神の三つの性質(光・激情・怠惰)を自分の内に見極め、偏りを正すことで、自己統制が強まる。
リーダーシップ他者を導くには、まず自分の「判断力」と「持久力」が調和されていることが不可欠。

■心得まとめ

「行動を支えるのは、知性と意志の質である」
『ギーター』は、目に見える行為の前にある「判断の質」「継続する力」の違いを見極めよと説く。
この内面の構造を理解すれば、何が自分を突き動かし、何が成長を妨げているのかが見えてくる。
己の思考と意志の“質”を知ることが、真の変革の始まりである。

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