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無常を知りて、安らぎに至る


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引用原文(現代語訳)

諸のつくられた事物は実に無常である。
生じ滅びる性質のものである。
それらは生じては滅びるからである。
それらの静まるのが、安楽である。


逐語訳と用語解説

表現解釈・補足
諸のつくられた事物「諸行(しょぎょう)」とも。五蘊(身体と心)や、現象界のあらゆるもの。因縁によって一時的に成り立つ存在。
無常常ではなく、常に変化し、消えていく性質。生・老・病・死を含む存在の本質。
生じ滅びる性質因縁により現れ、やがて消えていくという特性。
それらの静まる諸行の活動が止むこと=煩悩・執着が止むこと。すなわち涅槃(ニッバーナ)。
安楽(安らぎ)変化・苦しみから解放された状態。仏教における究極の幸福。

全体の現代語訳(まとめ)

この世のすべてのもの――肉体、関係、名声、富など――は、いずれも生まれ、変化し、消えていく無常な存在である。それらは因縁によって一時的に生じているに過ぎず、永久のものではない。ゆえに、それらに執着せず、心の働きを静めることこそが、本当の安らぎである。


解釈と現代的意義

この節は、「無常」の理解こそが苦しみからの解放の第一歩であることを示しています。すべての現象が移ろうと知ることで、私たちは執着や恐れから自由になることができます。
現代においても、人間関係、仕事、健康、資産など、すべてが変わりゆくものだと知ることで、心のバランスを保ち、真の平穏に近づけます。


ビジネスにおける解釈と適用

観点実践的な適用例
変化への柔軟性市場・顧客・人材すべてが「無常」であることを前提に、変化を受け入れられる組織が強い。
執着の手放し過去の成功・地位・慣習への固執を捨て、次の行動へ移る覚悟をもつ。
人間関係のバランス仲間との関係も常に変化することを前提に、「今」を大切にしつつも過度な依存をしない。
戦略的撤退の美学手放すべき事業・資源・慣習を見極めて、「静まること」の価値を理解する経営。

心得まとめ(感興のことば)

「変わるものにしがみつくな。静まるときに、真の安らぎがある」
どれほど輝くものでも、やがては移ろい消える。
それを知り、手放すとき、心は軽くなり、自由になる。
変化の波を恐れるな。波の先に、静けさが待っている。


この節は「仏教のエッセンス」と言っても過言ではない核心の教えです。

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