目次
■引用原文(日本語訳)
第一七章 怒り(二二六)
ひとがつねに目ざめていて、昼も夜もつとめ学び、ニルヴァーナを得ようとめざしているならば、
もろもろの汚れは消え失せる。
■逐語訳
- ひとがつねに目ざめていて、
→ 常に気づきと自覚を保ち、油断せず生きているならば、 - 昼も夜もつとめ学び、
→ 日々昼夜を問わず、精進・努力・修行を怠らず続けているならば、 - ニルヴァーナを得ようとめざしているならば、
→ 涅槃(悟りの境地)を目指して真摯に歩んでいるならば、 - もろもろの汚れは消え失せる。
→ 貪欲・怒り・無知などの心の垢(煩悩)は、やがてすべて消えていく。
■用語解説
- 目ざめている(アパマーダ):気づき、注意深さ、怠らずに生きる姿勢。仏教では最も重要な徳の一つ。
- つとめ学ぶ(修習・修行):八正道などの実践を含めた精神修養。仏教的生活態度の核心。
- ニルヴァーナ(涅槃):煩悩が完全に消滅した、永遠の平安と自由の境地。輪廻からの解脱を意味する。
- もろもろの汚れ(アスラヴァ):貪・瞋・癡をはじめとした、心を曇らせる一切の煩悩や執着。
■全体の現代語訳(まとめ)
常に気づきを保ち、昼も夜も怠らずに学び、悟りを目指して真剣に生きる者には、やがて心の煩悩や汚れは消え失せ、清らかさがもたらされる。
■解釈と現代的意義
この偈は、「覚醒した意識と不断の努力」が内面的な浄化と成長をもたらすことを教えています。
目覚めているとは、物理的に起きていることではなく、「今この瞬間に気づいていること」を意味します。
忙しさに流されず、目的を持って日々を歩むことで、私たちは無意識の怒り・欲望・迷いを自然に手放していけるのです。
■ビジネスにおける解釈と適用
観点 | 適用例 |
---|---|
マインドフルネスの実践 | 常に気づきと観察の心で仕事をすることで、ミスを減らし、ストレスを軽減できる。 |
継続的学習の姿勢 | 成長を止めない者は、技術や価値観の変化にも対応でき、信頼され続ける存在となる。 |
使命感のある働き方 | 「何のために働いているのか」という目的意識を持ち続けることで、モチベーションと品格が養われる。 |
自己浄化と人間力の向上 | 怒りや嫉妬などに振り回されず、感情の濁りを少しずつ手放すことで、誠実で影響力のある人間となる。 |
■心得まとめ
「常に目覚め、歩み続ける者の心は、やがて透明になる」
現実に追われる日々の中でも、目的意識と気づきを失わず、日々学び続けることが、心の澄みを育てる。
ビジネスにおいても、注意深さ・継続・自己鍛錬を持つ人が、長期的に真の信頼と成果を手に入れるのです。
コメント