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主(神)は心の中に在り、すべてを動かす見えざる手である


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■引用原文(日本語訳)

「主は万物の心の中にある。その幻力により万物を、からくりに乗せられたもののように回転させつつ。」
(バガヴァッド・ギーター 第18章 第61節)


■逐語訳

  • 主(イーシュワラ)は、万物の心の中に宿り、
  • その神秘的な力(マーヤー)によって、
  • 生きとし生けるものを、からくり人形のように回転(循環)させている。

■用語解説

  • 主(イーシュワラ):遍在する神。人格神クリシュナ=宇宙の支配者であり導き手。
  • 心(フリダヤ):物理的な心臓ではなく、「内的意識」の座、魂の在処。
  • 幻力(マーヤー):神の創造力。現象世界を創り、すべてを包み込むエネルギー。
  • からくりに乗せられたもの(ヤンタルーダニ):操られる人形・機械装置の比喩。神の意志により動く存在としての個人。

■全体の現代語訳(まとめ)

「神はすべての存在の心の中に宿っている。
その神の力によって、私たちはまるで操られた機械のように、運命に導かれ、行動している。」


■解釈と現代的意義

この節は、「すべての行為の背後に神の導きがある」という深い霊的真理を語っています。
人間が「自分で決めて動いている」と思っているように見えても、
実はその動きすらも「内なる主」によって支配・調和されている。

これは「自由意志が無意味」ということではありません。
むしろ、意識を高めてこの「導き」に気づいたとき、初めて真の自由が始まるのです。


■ビジネスにおける解釈と適用

観点実務での適用例
内なる直観の源泉突然のひらめき、導かれるような出会い、決断の背後には、意識を超えた導きがあると認識することで、意思決定に深みと謙虚さが生まれる。
コントロール幻想からの脱却すべてを「自分の力」でやろうとする傲慢さを手放すことで、より広い視野と柔軟さが得られる。
運命的流れへの信頼思うようにいかない時も「自分を通して動く何かがある」と信じることで、不安を手放し、持続的な集中と平静を保てる。
組織の動きの観察組織全体の流れや空気を「見えない意志の表れ」として感じ取り、無理に抗わず、自然なリーダーシップを発揮できる。

■心得まとめ

「私は動いているのではない。主が、私を通して動いている」

ギーターは静かに明かす――
「お前の行動の根には、
心の奥に宿る主の意志がある。
気づけば、その流れに乗る者となる。
気づかねば、抗いながら回される者となる。」


この節は、「霊的自覚と信託」の核心をつく内容です。
続く第62節では、「その主に完全に帰依することで、永遠の安らぎが得られる」と教えが展開されます。

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