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真理を信じぬ者に迫る、見えぬ災い


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📖原文(日本語訳)

「仏の教えを信じない人々は、わざわいに遭うであろう。
商人たちが羅刹女たちに取りかこまれるように。」

— 『ダンマパダ』第21章「如来」第14節


🔍逐語訳・用語解説

語句解説
仏の教えを信じない人々ダンマ(真理)を軽んじ、誠実に生きようとしない者。
わざわいに遭う内面の混乱・誤った選択・道徳的堕落・精神的苦悩を象徴。
商人たち世間を旅する者=人生を生きる私たちの比喩的表現。
羅刹女(らせつにょ)インド神話に登場する鬼女。表面的には魅力的だが、人を誑かし、命を奪う存在。
取りかこまれる見た目や言葉に惑わされ、破滅の方向へと導かれる様子を象徴。

💡全体の現代語訳(まとめ)

仏の教え(真理)を信じず、敬わない者は、
やがて見えぬ災いに取り囲まれるだろう。
それはまるで、旅の商人が美しさの裏に潜む鬼女(羅刹)に囲まれて、
知らぬ間に破滅へと誘われるようなものだ。


🧠解釈と現代的意義

この章句は、「真理に対する無関心や不信」が、
いかに危うい人生の選択につながるかを、寓意的に語っています。

羅刹女は、魅力的に見えて人を堕落させる「誘惑」「虚栄」「欲望」などの象徴であり、
それに囲まれる商人たちは、方向感覚を失い、破滅の道に陥っていく人間の姿です。

仏の教え(ダンマ)は、人生の羅刹から身を守る羅針盤。
それを信じない、または無視する者は、結果として自らの破滅を招く――という警句です。


💼ビジネスにおける解釈と応用

視点応用例
価値判断の基準の欠如倫理観や理念を軽視すると、一時の流行や欲望に飲まれて長期的な信用を失う。
短期的誘惑への警鐘楽な道・派手な利益・過剰な自己演出など、見かけだけで選んだ判断は、後に自分を苦しめる。
真理の軽視は経営のリスク原理原則に基づかない戦略は、一見魅力的でも、本質的な損害をもたらす可能性がある。
チームや組織における誘惑不正・虚偽報告・美辞麗句など、組織の羅刹的誘惑に囲まれたときに必要なのは「真理の信仰」である。

🧾心得まとめ

「仏の教えを見失うと、羅刹は魅力の顔をして近づいてくる」

人生には、正しく見えながら誤った道がある。
それを見抜く眼は、真理を尊ぶことから生まれる。

仏の教えを信じ、実践しない者は、
気づかぬうちに、誘惑の美しさの中に沈んでいく。

だからこそ、信を保ち、理念を守ることが、
内なる羅刹から身を守る唯一の道である。


『如来』章の最終節として、この第14節は「信」と「警戒」を促す強い締めくくりの言葉となっています。

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