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内なる自己に満たされる者は、すでに自由である


目次

📜 引用原文(日本語訳)

「他方、自己において喜び、自己において充足し、自己において満ち足りた人、
彼にはもはやなすべきことがない。」
(『バガヴァッド・ギーター』第3章 第17節)


🔍 逐語訳

「一方で、自己の中に喜びを見出し、
自己の中に充足を得、
自己の中に完全に満ち足りている人には、
もはや成し遂げるべき行為(義務)は存在しない。」


🧩 用語解説

  • 自己(アートマン):物質的・肉体的自己ではなく、永遠なる真の自己。本質的な魂(霊的実在)を指す。
  • 喜び(ラマ):外的快楽ではなく、内面的な静寂・幸福・至福のこと。
  • 充足(トリプティ):足りないものがなく、完全に満たされた精神状態。
  • なすべきことがない(ナ・ヴィディヤテ・クリティ):義務・目的・達成すべき目標が不要になるほど、自己が完成している状態。

🗣 全体の現代語訳(まとめ)

この節では、「内なる自己の完全な目覚めと満足」を得た人について語られます。
そのような人は、外からの報酬や認知に頼らず、自己の中に喜びと意味を見出している
よって、もはや「何かを達成しなければならない」という強迫的な行為の動機から解放されているのです。


💡 解釈と現代的意義

これは「無為に生きる」という意味ではなく、行為を義務や欲望からではなく、自由と自然から行う境地を表します。
こうした人は、動機が外的条件(評価・成功・欲望)ではなく、内的成熟に基づいているため、
行動しても執着せず、行動しなくても不足感がない。
つまり、真に自由な実践者(ヨーギン)の姿を象徴しています。


🏢 ビジネスにおける解釈と適用

観点適用例
自己動機型リーダー承認欲求や評価で動くのではなく、「内発的な価値感・信念」に基づいて動くリーダーは、ブレず、周囲にも安心感を与える。
ワーク・ライフの統合「仕事=人生の義務」ではなく、「仕事=自己実現の一部」として捉えると、自然体の働き方が可能になる。
自己承認と心理的安全自分の中に満足の源泉がある人は、他者と比較したり、過度に競争せず、組織に調和と安定をもたらす。
モチベーションマネジメント外発的インセンティブに頼らず、自律的に動ける人材が多い組織は、環境変化に強く、長期的に成果を上げやすい。

🧠 心得まとめ

「満たされた心は、何も求めないが、すべてを生み出す」

真の自由とは、外に求めず、内に見出すことです。
他人の評価や成果への執着から解放され、
「今ここにある自分」そのものに喜びを見出せる人は、何をしても自由であり、何をしなくても価値ある存在です。
この境地こそが、行為の執着からの解放であり、ギーターが目指すヨーガ的完成なのです。


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