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限りなき存在に境界を求めるな


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■引用原文(第11章 第16節)

アルジュナは言った。
「多くの腕と腹と口と眼を持ち、あらゆる方角に無限の姿を示すあなたを見る。
あなたの終わりも、中間も、始まりも、見極めることはできない。
全世界の主よ、あらゆる姿を持つ者よ。」
—『バガヴァッド・ギーター』第11章 第16節


■逐語訳(一文ずつ訳す)

  • 「あなたには、無数の腕、腹、口、眼があります。
  • あなたは、あらゆる方向において、限りなき姿を示しています。
  • 私は、あなたの始まりも中間も終わりも、見ることができません。
  • あなたは全宇宙の主であり、あらゆる姿の化身です。」

■用語解説

用語解説
多くの腕・腹・口・眼神の宇宙的側面を象徴する。遍在性と全能性を視覚的に表現している。
無限の姿制限や境界を超えた存在。あらゆる形を超越し、あらゆるものに現れる神の本質。
始まり・中間・終わり時間軸や物理的構造の象徴。神はこれらに規定されず、超越している。
全世界の主宇宙の根源的支配者。創造・維持・破壊を含めた全存在のコントローラー。
あらゆる姿を持つ者万物に宿る神。森羅万象の中に神の存在があることを象徴する。

■全体の現代語訳(まとめ)

アルジュナは、クリシュナの宇宙的姿の中に無数の手・腹・眼・口を見、あらゆる方向に広がる無限の形態を認識する。
その姿はあまりに壮大で、始まりも中間も終わりも見定めることができず、ただただ驚きと畏怖に包まれる。
それは、「神=宇宙の本質」は人間の時間・空間の枠を超越していることの象徴である。


■解釈と現代的意義

この節は、「真の本質や真理は、我々の限定的な認識では完全に把握できない」という謙虚な姿勢を示しています。
人はしばしば「結果」や「答え」を求めたがるが、宇宙の仕組みや人生の意味は、単純に分けられるものではなく、
始まりも終わりも曖昧であり、全体として体感されるものであることを教えてくれます。


■ビジネスにおける解釈と適用

観点適用例
複雑性の受容プロジェクトや組織は単純な直線的構造ではない。多面的・動的であることを理解し、対応する。
リーダーの認識態度「すべてを理解している」という慢心ではなく、「常に学びの途中である」という謙虚さを持つ。
不確実性への適応力終わりや正解を決めつけず、変化や混沌の中にも意味と可能性を見出す視点を持つ。
顧客や市場の理解市場や人間心理も一面的に捉えられない。「多くの顔・手・眼を持つ存在」として深く観察し続ける姿勢が重要。

■心得まとめ

「全体像をつかもうとするな。全体に敬意を払え」

宇宙的真理は、人間の知性だけで測れるものではない。
それは無数の側面を持ち、時間・空間の限定を超えて存在する。
ビジネスにおいても、結果や構造ばかりを追い求めるのではなく、
複雑さを受け入れ、全体の流れとつながりに敬意を払うこと――
それが真の成功への道である。

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