目次
損益計算書とバランスシートの関係
損益計算書には、経常利益の次に「特別利益」と「特別損失」といった項目が記載されています。
これらは税法上の基準で定められたものであり、実際の取引や資金収支とは直接的な関係がありません。ただの帳簿上の数字にすぎないことを理解する必要があります。
特別利益の多くは前期の繰り戻し分であり、特別損失は当期の繰り入れ分として計上されます。
その結果、営業規模が拡大するほど特別損失の金額が増加し、税引前利益が経常利益よりも少なくなる構造になっています。この差額は「資本蓄積」として扱われ、課税対象外となる仕組みです。
引当金と納税計上の流れ
税引前利益には法人税や地方税が課されるため、決算書ではこれらを「納税引当金」として計上します。その残りが「当期利益」となり、次のように損益計算書とバランスシートの関係が整理されます。
- 損益計算書
- 経常利益
- 税引前利益
- 当期利益
- バランスシート
- 引当金
- 法人税引当金
- 当期利益
これらを基に期中増減を記録すれば、バランスシートが完成します。
誤りの検証手順
期中増減が左右でバランスしない場合、どこかに誤りがある可能性が高いです。次の手順で確認を行います:
- 資金運用計画の検算 資金運用計画の計算に誤りがないか再確認します。
- 正確な転記の確認 計画の全ての数値がバランスシートに正しく転記されているかを確認します。
- 左右の数字の合計差額の計算 差額を明確にし、その金額が資金運用計画に含まれているかをチェックします。
- 増減の見直し 差額が見つかった場合、その増加と減少が正しい位置に記入されているか確認します。
誤りの原因と修正
原因が不明の場合は、差額の半分に該当する数字を確認し、増減欄で記入が逆になっていないか検証します。
このミスは、結果的に差額の三倍のズレを引き起こします。それ以外では、計算や記入時の単純な入れ違いも考えられます。
期末バランスシートの完成
増減が左右でバランスすれば、期末バランスシートは簡単に作成できます。
期首の数値に期中増減を加減することで期末数値が算出され、この手順により期末目標バランスシートが完成します。
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