1. 改良とは
改良は、固定資産の価値を高めたり、耐用年数を延長させるための支出を指します。これを資本的支出といい、固定資産の取得原価に加算して処理します。
例:
- 非常階段の設置
- 建物を防音・防火仕様にする工事
- 工場の機械の性能を向上させるアップグレード
会計処理:固定資産の取得原価に加算
例:
- 建物の改良費用:50,000円を現金で支払った。
仕訳:
借方:建物 50,000円
貸方:現金 50,000円
2. 修繕とは
修繕は、固定資産を元の状態に戻すための支出を指します。これを収益的支出といい、修繕費[費用]として処理します。
例:
- 壁のひび割れ補修
- 雨漏りの修復
- 機械の摩耗部品の交換
会計処理:修繕費[費用]として計上
例:
- 建物の修繕費用:20,000円を現金で支払った。
仕訳:
借方:修繕費 20,000円
貸方:現金 20,000円
改良と修繕の違いまとめ
項目 | 改良(資本的支出) | 修繕(収益的支出) |
---|---|---|
目的 | 資産の価値を高める・耐用年数を延長する | 資産を元の状態に戻す |
処理方法 | 固定資産の取得原価に加算 | 修繕費として費用計上 |
例 | 防音工事、性能向上工事 | 壁の修復、漏水修理 |
注意点
- 支出の目的が曖昧な場合は、改良か修繕かを明確にするため、具体的な工事内容や資産への影響を確認する必要があります。
- 改良費用が資本的支出に該当するかどうかは、税法の規定も考慮して判断する場合があります。
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