目次
◆第4章 第26節による心得
●原文引用
「他の人々は、耳などの感官を〔自己〕制御という火の中に焼べる。他の人々は、音声など〔感官の〕対象を感官という火の中に焼べる。」(第4章 第26節)
●逐語訳(一文ずつ訳す)
- 「他の人々は、耳などの感官を〔自己〕制御という火の中に焼べる」
→ ある修行者たちは、耳・目・皮膚などの感覚器官を、自己制御という精神的行為の中に投じて制御する。 - 「他の人々は、音声など〔感官の〕対象を感官という火の中に焼べる」
→ また別の修行者たちは、音や形などの対象を、感官の働きそのものにおいて意識的に観察し、執着を持たずに手放す。
●用語解説
- 感官(indriya):五感(耳・目・鼻・舌・皮膚)などの感覚器官。
- 対象(viṣaya):音声・形・匂い・味・触覚など、感官が捉える対象。
- 焼べる(juhvati):供物を火に投じること。ここでは「自己訓練として捧げる」意味。
- 制御という火(saṃyama-agni):自制の力を象徴する「内的な火」。
●全体の現代語訳(まとめ)
ある人々は、感覚器官そのものを、自己制御の力によりコントロールする。他の人々は、感官が捉える対象に対して無執着を貫き、感官の働きを内的犠牲として捧げる。
●解釈と現代的意義
この節は、「内面の制御」に焦点を当てています。感覚の奔流に振り回されることなく、自己の内なる火(制御力)により、感官とその対象への執着を焼き尽くす――これが精神修行の核心であり、心の自由への道とされます。
●ビジネスにおける解釈と適用
視点 | 解釈・応用 |
---|---|
情報過多社会 | 五感や情報に流されず、本質を見極める「選択的集中」が求められる。 |
感情・欲望の制御 | 欲求や衝動に任せず、冷静な判断に基づく行動が成果につながる。 |
感性のリセット | 日々あふれる刺激の中でも、心を落ち着けて「感覚を整える時間」を持つことが、生産性と創造性を高める。 |
●ビジネス用の心得タイトル
「感官を制し、感性を燃やせ」
(――情報と感情を整理し、本質に集中せよ)
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