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心を護れば、人として歓喜に満ちる


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📜 引用原文(『ダンマパダ』第58偈)

心を制することは楽しい。汝らは心を守れ。怠るな。
心がよく守られているならば、或る生けるものどもは人間のあいだにあって喜ぶ。


🪶 逐語訳(意訳)

  • 心を制御し調えることは、深い歓喜と安穏をもたらすものである。
  • 汝らよ、心を常に守れ。決して怠るな。
  • 心がよく守られた者は、再び人間として生を受け、その人生を喜び楽しむことができる。

📘 用語解説

用語解説
心を制する(citta-danto)自我や欲望に支配されず、静寂と明晰を保った心の状態。
守る(rakkhita)常に自己観察し、欲・怒り・愚痴などの煩悩に染まらぬよう見張ること。
怠るな(mā pamādo)精進を忘れ、注意を欠くことを戒める表現。
人間のあいだで喜ぶ次の生が「人間界」に生まれることを意味するが、象徴的には「理性ある人格者として喜びに満ちた生を送る」という含意もある。

🧾 全体の現代語訳(まとめ)

心を制御することは、人生に深い安らぎと喜びをもたらす。
ゆえに、わたしたちはその心を常に見張り、怠ってはならない。
しっかりと心を守り、正しく保てば、ある者たちは人間界に生まれ変わり、そこで喜びと安穏のうちに生きることができる。


🔍 解釈と現代的意義

この偈は、「正しく保たれた心が、人間としての生の価値と喜びをもたらす」という仏教的ヒューマニズムを示しています。

前節までのように、心に欺かれた者は地獄・畜生・餓鬼という苦しみの境涯に堕ちることが説かれていましたが、この偈では正しく訓練された心が、理性ある人生・社会的幸福・人間的充足を得る根源であると伝えます。

つまり、“人間らしい幸せな生”とは、心の修養の上に築かれるということです。


💼 ビジネスにおける解釈と適用

観点適用例
人格形成としての心の修養思考・感情の自己制御ができる人は、周囲からの信頼も厚く、自然と良い仕事と縁に恵まれる。
持続的幸福の基盤としての理性衝動や感情に振り回されず、冷静に判断する力は長期的な満足をもたらす。
真の成功とは、結果よりも状態目に見える成果ではなく、心が整っていること自体が「人としての成功」である。
社会に受け入れられる人物像自制心のある人物は、チームや顧客からも歓迎され、健全な人間関係を築ける。

💡 心得まとめ(結びのことば)

「心を制する者は、人としての生を全うし、喜びを得る」
「理性と感情の調和こそ、人間に生まれた価値である」

“幸せに生きる”とは、外の条件に依存することではなく、
内なる心の状態をどう保つかにかかっている――それがこの偈の教えです。
どれだけ仕事が多くても、成果を出していても、心が乱れていれば真の幸福はない。
一方、心をよく守り、落ち着きと誠実さを保つならば、人間としての誇りと歓喜に満ちた人生が得られるのです。


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