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慎みを失えば、苦しみは長く続く


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📜 引用原文(日本語訳)

人よ。このように知れ、慎みがないのは悪いことである。貪りと不正とのゆえに汝がながく苦しみを受けることのないように。
——『ダンマパダ』第18章「汚れ」第248偈


📘 逐語訳

  • 人よ。このように知れ:仏陀による直接的な呼びかけ。重要な教訓の前触れ。
  • 慎みがないのは悪いことである:節度を欠いた行いが心と人生を損なう。
  • 貪り(とん):欲望・欲深さ。仏教三毒のひとつ。
  • 不正(ふせい):道に外れた行為。倫理や法を犯す行動。
  • ながく苦しみを受ける:悪業の報いは一時のものではなく、長期間にわたって本人を苦しめる。

🧾 用語解説

用語意味
慎み(つつしみ)自制、自己規律、節度ある態度。
貪り(貪欲)欲しいという欲求に支配され、他者や正義を顧みない心。
不正法律や道徳、他者との信頼を破壊する行為。
苦しみ仏教においては、現世・来世両面における精神的・肉体的苦痛を含む。

🌏 全体の現代語訳(まとめ)

人よ、よく知っておくがよい。
自分を慎まないこと――それは必ず悪い結果を生む。
欲望に振り回され、道に背く行いをすれば、あなたは長く苦しむことになるだろう。
だからこそ、慎み深く、正しく生きることが大切なのだ


💡 解釈と現代的意義

この偈は、仏教における倫理的自制の重要性を端的に説いたものです。
慎みは単なる「遠慮」ではなく、自分自身と他者、そして社会の調和を保つための内なる力です。

貪欲や不正を「うまくやる手段」として使えば一時は得をしたように見えても、それは長期的には自分を苦しみに導く毒である
この偈は、「目先の利益よりも、長い視野での心の安らぎを選べ」と教えてくれます。


💼 ビジネスにおける解釈と適用

観点適用例
慎みのない言動思いつきの発言や傲慢な態度が、信頼を一気に損なう。
欲望の暴走利益を追うあまり、倫理を無視すると、企業も個人も破滅に向かう。
不正の長期的代償短期的なごまかしや改ざんは、いつか暴かれ、長期の信用失墜に繋がる。
自制する力責任ある立場にある人ほど、感情・欲望・誘惑を制御する力が求められる。

🧭 心得まとめ

「慎みは心のブレーキ。欲と不正に押し流されるな」

欲望と不正の誘惑は、誰にでも訪れる。
だが、それに流されることなく、自分の価値と原則を守り抜いた者こそが、真の自由と平安を得ることができる。
慎みを失えば、その代償は小さなものではなく、「ながく続く苦しみ」として自らに返ってくる。


この偈は、第18章の総まとめとしてふさわしく、「汚れ」とは何か、その本質を静かに、しかし鋭く示しています。

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