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執着を離れた者には、誰も手出しできない


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📖 引用原文(日本語訳)

第一四章 ブッダ 一八〇
誘なうために網のようにからみつき執著をなす*妄執*は、かれにはどこにも存在しない。
ブッダの境地は、ひろくて涯しがない。
足跡をもたないかれを、いかなる道によって誘い得るであろうか?

※「妄執」=虚妄な執着。煩悩や無知により対象にしがみつく心。


🧩 逐語訳

  • 他者を引き寄せ、執着させる網のような妄執は、ブッダの中には存在しない。
  • ブッダの悟りの境地(涅槃)は、果てしなく広大である。
  • 煩悩の「足跡」を残さぬ者を、いかなる手段で引き戻すことができようか?

🧘 用語解説

  • 妄執(もうしゅう):誤った認識に基づく執着心。虚妄な対象に心を縛られ、自由を失う原因。
  • 網のようにからみつく:対象に執着する心が、人の思考や行動を縛る様子のたとえ。
  • 足跡をもたない者:心に痕跡(煩悩・執着)を残さずに行動する覚者。完全に自由な者。
  • 境地が涯しがない:悟りの状態が、認識や概念を超えた無限の広がりを持つこと。

🔎 全体の現代語訳(まとめ)

ブッダの心には、人を絡め取り苦しませるような妄執(執着)は一切存在しない。
その境地は計り知れず広大で、凡人の理解や追随をはるかに超えている。
煩悩の「足跡」を一切残さずに歩むその人を、何によって捉え、何によって引き戻すことができようか?
この偈は、真の自由と純粋な意識を得た者の在り方を描いている。


💡 解釈と現代的意義

現代人は、情報・欲望・評価といった無数の「網」に絡め取られている。
しかしこの偈が示すように、真に自由な者はそのいずれにも絡め取られず、しがみつかず、縛られない。
「心にしがみつかないこと」が、最大の解放であり、自分らしく生きる道である。
これは現代における「セルフマネジメント」や「内的独立性」に深く通じる教えである。


💼 ビジネスにおける解釈と適用

観点解釈・適用例
✅ 感情マネジメント不安・怒り・欲望などにからめ取られず、自分の意志を保ち続けることがプロとしての成熟である。
✅ 判断と意思決定外部の圧力や世間の声に引きずられず、本質に基づいて判断できる人は強い。
✅ 自由なリーダーシップ執着せず、支配しようとしないリーダーは、かえって周囲を導く力を持つ。
✅ 情報過多社会への対応あらゆる誘惑・煽り・不安に翻弄されず、自分の心に「妄執」がない状態を保つことが、現代における知性。

✍️ 心得まとめ

「執着の網を断ち切る者こそが、自由と力を手にする」
何者にも縛られず、何者にも引き戻されない――それがブッダの境地である。
そのような人は、自分の人生において真に自由であり、社会においても揺るがぬ軸を持っている。
我々も、感情や欲望の網にからめ取られぬよう、静かに自分を観察し続けよう。


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