1. 三分法

概要

• 商品売買を 仕入（費用）、売上（収益）、繰越商品（資産） の3つの勘定で処理します。
• 売上原価は、仕入勘定の残高（仕入れた金額から繰越商品を控除した金額）として計算されます。
• 決算時に、繰越商品の増減を仕訳し、売上原価を確定します。

仕訳の流れ

1. 商品を仕入れたとき: 仕入勘定で処理。
2. 商品を売り上げたとき: 売上勘定で処理（原価計算は決算時に行う）。
3. 決算時: 期末在庫（繰越商品）の増減を調整して売上原価を算定。

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2. 売上原価対立法

概要

• 商品を仕入れたときは、商品（資産） 勘定を増加。
• 商品を売り上げたときは、売上（収益） を売価で計上するとともに、商品の原価を 商品（資産） から 売上原価（費用） に振り替える。
• 決算時には、特別な調整仕訳は不要（商品の増減が都度反映されるため）。

仕訳の流れ

1. 商品を仕入れたとき: 商品（資産）勘定で処理。
2. 商品を売り上げたとき: 売上（収益）を売価で計上し、原価を商品から売上原価に振り替える。

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仕訳例（売上原価対立法）

次の取引について、売上原価対立法で仕訳を行います。

条件

1. 商品を2,000円で掛け仕入れた。
2. 商品（売価2,100円、原価1,500円）を掛けで売り上げた。
3. 決算日を迎えた。

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(1) 商品を仕入れたとき

• 仕訳:

  商品　　　　2,000円　/　買掛金　2,000円

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(2) 商品を売り上げたとき

• 売価の計上（収益）:

  売掛金　　　2,100円　/　売上　2,100円

• 原価の振替（費用）:

  売上原価　　1,500円　/　商品　1,500円

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(3) 決算日を迎えた

• 売上原価対立法では、決算時に特別な調整仕訳は不要です。

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比較：三分法と売上原価対立法

項目	三分法	売上原価対立法
仕入時	仕入勘定で処理	商品勘定で処理
売上時	売上勘定のみ処理	売上勘定と売上原価勘定の両方を処理
売上原価の計算	決算時に計算	販売時に都度計算
期末在庫調整	決算時に繰越商品勘定で調整	特別な調整は不要

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まとめ

• 三分法:
• 決算時に売上原価を計算するため、通常の仕訳が簡単。
• 商品売買の基本的な処理方法。
• 売上原価対立法:
• 仕訳がやや複雑だが、販売のつど売上原価を計算できる。
• 正確な在庫管理が可能。

いずれの方法も、目的や経理システムに応じて使い分けることが重要です。