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原価差異の表示方法

製造業で予定配賦を採用している場合、製造原価報告書損益計算書には、原価差異(製造間接費配賦差異)の調整が必要です。以下に、各財務諸表での原価差異の表示方法を説明します。


1. 製造原価報告書での原価差異の表示

背景

  • 仕掛品勘定には予定配賦額で記録されますが、製造原価報告書には実際発生額を記載する必要があります。
  • 予定配賦額と実際発生額の差額(原価差異)を調整します。

処理方法

  1. 不利差異(借方差異):
    • 実際発生額から減算
  2. 有利差異(貸方差異):
    • 実際発生額に加算

資料

  • 実際発生製造間接費: 300,000円
  • 予定配賦額: 280,000円
  • 不利差異: 20,000円(300,000円 – 280,000円)

製造原価報告書

項目金額(円)
直接材料費500,000
直接労務費200,000
直接経費50,000
製造間接費
– 実際発生額300,000
– 原価差異調整(不利差異)(20,000)
当期製造原価1,030,000

2. 損益計算書での原価差異の表示

背景

  • 損益計算書では、売上原価に原価差異を反映させる必要があります。
  • 原価差異の調整方法は製造原価報告書と異なり、売上原価に直接反映します。

処理方法

  1. 不利差異(借方差異):
    • 売上原価に加算
  2. 有利差異(貸方差異):
    • 売上原価から減算

資料

  • 当期完成品原価: 1,000,000円
  • 不利差異: 20,000円

損益計算書

項目金額(円)
売上高1,500,000
売上原価
– 当期完成品原価1,000,000
– 原価差異調整(不利差異)+20,000
売上総利益480,000

3. 原価差異の処理まとめ

項目不利差異(借方差異)有利差異(貸方差異)
製造原価報告書実際発生額から減算実際発生額に加算
損益計算書売上原価に加算売上原価から減算

4. 実務上のポイント

  • 正確性の確保:
    • 原価差異の調整を正確に行うことで、財務諸表における売上原価や製造原価を適切に表示できます。
  • 原価差異の分析:
    • 不利差異が大きい場合、予定配賦率の見直しや製造効率の改善が求められます。
  • 財務諸表の整合性:
    • 製造原価報告書の原価差異調整が損益計算書と一致していることを確認します。

この処理を適切に行うことで、原価計算の精度を高め、企業の財務状況をより正確に反映できます。

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