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社員が「使わざるを得ない」仕組みを作る方法

経営を円滑に進めるには、社員全員が会社の方針やルールをしっかり理解し、日常的に活用することが不可欠です。しかし、ただ方針を示すだけでは、多くの社員はそれを実際に使う習慣を持ちません。社員が「使わざるを得ない」仕組みを構築することで、この問題を解決しています。

目次

経営計画書を使わせる工夫

1. 経営計画書が唯一の情報源となる環境を整える

社員がスケジュールや休日を確認するには、経営計画書を見るしかない仕組みを作っています。例えば、社内にカレンダーを掲示しないことで、社員は計画書を常に持ち歩き、利用するようになります。

2. 配布先一覧表をボイスメールのアドレスに活用

経営計画書の配布先一覧表には社員番号が記載されています。この社員番号を用いて、「6340ムサシノ」を頭につけるとボイスメールアドレスとして利用可能です。これにより、計画書がコミュニケーションツールとしての役割も果たします。

3. 右ページを白紙にしてメモ代わりにする

経営計画書の右ページを白紙にすることで、社員が学びや気づきをその場で記録できるようにしています。

  • なぜノートではなく経営計画書なのか?
    ノートには検索性がなく、必要な情報を素早く見つけることが難しいからです。
  • なぜ右ページが白紙なのか?
    多くの社員が右利きであるため、使いやすさを考慮した結果です。

社長自身も、白紙のページに新しい方策やアイデアを書き込み、時間をかけて熟考したうえで実行を決めています。このプロセスにより、思いつきの行動による失敗を防ぎ、確実に実行すべき方針だけを採用することが可能になります。


古い経営計画書の回収

経営計画書を新しいものに更新する際、前期の計画書を必ず回収します。この取り組みには、以下の意図があります。

1. 古い情報を手放させる

人間の潜在意識には、古い情報が根強く残っています。これを放置すると、新しい方針に対する適応力が鈍り、楽な選択肢や過去の慣例に固執しがちです。古い経営計画書を物理的に手放させることで、社員の意識をリセットします。

2. 回収を促すインセンティブ

計画書を返却した社員には3,000円を支給します。この金銭的な動機づけにより、高い回収率を実現しています。人間心理を活用した仕組みは、効果的な経営の一環です。

3. 失くした場合のペナルティ

経営計画書を紛失した場合には罰金を科します。酔って財布をなくしても計画書は絶対に守る。この強い意識づけにより、計画書の重要性が全社員に徹底されます。

「使わざるを得ない」仕組みがもたらす効果

  1. 社員の行動を習慣化
    日常的に計画書を利用することで、会社の方針やスケジュールが自然と浸透します。
  2. 情報の一元化
    計画書が唯一の情報源となるため、混乱を防ぎ、全社員が同じ目標に向かって行動できます。
  3. 意識改革
    古い情報を捨て、新しい情報に集中させることで、組織全体の変革をスムーズに進めることが可能です。

まとめ

社員が自主的に経営計画書を活用することは難しいかもしれません。しかし、武蔵野のように「使わざるを得ない仕組み」を作れば、自然と社員の行動が変わります。情報源を一元化し、古い計画書を回収することで、新しい方針が効率的に浸透します。

このような工夫を積み重ねることで、組織全体が統一された方向性で動き出し、持続的な成長を実現できるのです。

この記事でわかること

使わざるを得ない仕組みをつくる

社員が使わざるを得ない仕組みをつくる

社内にカレンダーを貼らなければ、スケジュールが立てられない。休みがいつか、わからない。社員は経営計画書を見るしかありません。だから常に持ち歩くようになります。これもひとつの工夫です。

経営計画書を印刷しただけでは道具になりません。社員が使わざるを得ないさまざまな工夫が必要です。

・配布先一覧表の社員番号がボイスメールアドレスになる。

経営計画書の配布先一覧表には、社員名のほかに社員番号が明記されています。この社員番号の前に「6340ムサシノ」を入力するとボイスメールのアドレスになります。

・右ページを白紙にしておけば、メモ代わりになる

経営計画書は基本的に左ページに方針、右ページは白紙にしています。白紙にしておけば、社員は勉強会のために気づいたことを書き込めます。

ではノートではだめなのか。ダメです。ノートには検索するしくみがありません。ではどうして右ページなのか。多くの社員が右利きだからです。

社長もまた気づいたことを白紙のページに書き込んでおきます。新しい方策を思いついたら、まず白紙のページに書き込んでおく。書き込んだ内容を一年後に読み返していて、その時点でまだ「これはやりたい」「これはやらなければ」という思いが強ければ実行していい。前述したクレーマーに関する方針もはじめは白紙ページに書き込んでいたが、時間が経っても私の熱が冷めることはありませんでした。だから新しい方針となった。社長は思いつきで行動しない方がいい。思いつきで行動を起こすと、多くの場合、失敗します。

前期の経営計画書は回収する

第50期の経営計画書を配布するにあたって、49期の経営計画書は回収します。もっていないという社員もいますが、許しません。

人間の潜在意識には、古いことが刷り込まれていいます。

そして古いことを一旦捨てさせないと、新しいことを吸収できません。古いことをそのままにしておくと、新しく変わろうとせずにらくなほう、すでにわかっているほうを選びたがります。

回収する方法は、返却した社員に3000円差し上げる。動機は不純かもしれませんが、大いに結構。人間心理を無視して経営してはいけない。動機は不純でもいい、お金でつってもいい。現金がもったいないならその分賞与を減らしたらいい。

経営計画書をなくすと罰金

酔っ払って財布はなくてしても経営計画書はなくさないようにする。

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