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世渡り上手より、愚直な人であれ

世の中の経験が浅い人は、世俗の汚れにもあまり染まらない。
一方で、経験を重ねるほどに、世の仕組みや計略に深く巻き込まれてしまう。
だからこそ、君子は器用に立ち回るより、愚直であるほうが尊い。
細かな常識や礼儀にこだわるより、少し世間知らずで自由な心を持つほうが、
本質に正直に生きられる。


「世(よ)を渉(わた)ること浅(あさ)ければ、点染(てんせん)も亦(また)浅(あさ)し。
事(こと)を歴(へ)ること深(ふか)ければ、機械(きかい)も亦た深し。
故(ゆえ)に君子(くんし)は、その練達(れんたつ)ならんよりは、朴魯(ぼくろ)なるに若(し)かず。
その曲謹(きょっきん)ならんよりは、疎狂(そこう)なるに若かず。」


注釈:

  • 点染(てんせん)…世の中の悪習に染まること。心にしみ込む汚れ。
  • 機械(きかい)…ここでは策略・打算的なふるまい。世渡りの術。
  • 君子(くんし)…徳を持ち、道を志す人格者。真理を求める生き方をする人。
  • 朴魯(ぼくろ)…素朴で愚直。洗練されていないが、誠実なあり方。
  • 曲謹(きょっきん)…こまごまとしたことに通じ、慎重すぎる態度。
  • 疎狂(そこう)…世間にうとく、少し突飛な人柄。型にとらわれない自由さ。
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