目次
■原文
これは低次のものである。
だが私にはそれとは別の、生命*(霊我)である高次の本性*(精神的原理)があることを知れ。
それにより世界は維持されている。
(第7章・第5節)
■書き下し文
これは低き本性なり。
されど、これとは別に、生命なる高き本性あり。
これにより、世界は保持されていると知れ。
■現代語訳(逐語/一文ずつ)
- これは低次のものである。
→(前節で述べた八つの物質的原理は)低次のものである。 - だが私にはそれとは別の、生命(霊我)である高次の本性があることを知れ。
→ 私には、物質とは異なる、生命・精神としてのもう一つの本性がある。それは高次のものである。 - それにより世界は維持されている。
→ その高次の本性によって、万物・宇宙は支えられ、維持されているのである。
■用語解説
- 低次の本性(アパラ・プラクリティ):物質的自然、五大要素および心の諸器官。
- 高次の本性(パラ・プラクリティ):霊我(ジーヴァ)、生命の根源としての精神的原理。
- 生命(ジーヴァ):意識ある存在を動かす根源的な原理。神の分霊とも言える。
- 維持されている:物質の運動や秩序が、この高次原理により保たれている。
■全体の現代語訳(まとめ)
物質的な八つの原理は低次の性質に過ぎない。だが、それとは別に、生命や意識としての高次の本性が私にはある。この高次の原理こそが、宇宙の秩序と運行を支えているのだ。
■解釈と現代的意義
この節は、人間や世界の存在には「物質」と「精神」の二重構造があることを示している。精神的原理が存在するからこそ、物質的世界は意味を持ち、秩序を保つ。これにより、外的な事象だけでなく、内的な意識や生命の価値を重視する姿勢が導かれる。
■ビジネスにおける解釈と適用
- 物質的資源だけでは企業は存続できない
→ 組織文化・理念・志といった「高次の原理」が経営の基盤を支えている。 - リーダーは「高次の原理」に気づき、活かすべし
→ 組織のビジョンや価値観(霊我)を明確にし、それが経済活動(物質)を支える構図を築く。 - 人材を単なる労働力ではなく、「意識ある生命」として尊重することが、持続性を生む
→ 高次の本性に触れるマネジメントこそが、人・社会・市場からの信頼を生む。
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