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敬う心が人生をあたたかくする


目次

🔖 原文(日本語訳)

「世の中で母を敬うことは楽しい。
また父を敬うことは楽しい。
世の中で修行者を敬うことは楽しい。
世の中でバラモンを敬うことは楽しい。」
――『ダンマパダ』第1章「双句品」第21偈


📝 逐語訳

  • 母を敬うことは楽しい:母という命の根源・育みの存在に感謝し、敬意を持つことは、心に温かな満足をもたらす。
  • 父を敬うことは楽しい:人生の支柱や導き手である父に敬意を示すことも、精神的な安らぎとなる。
  • 修行者を敬うことは楽しい:煩悩を離れ、自己を修める者(出家者・比丘)への敬意は、自らの内面にも静けさをもたらす。
  • バラモンを敬うことは楽しい:ここでは血統としてのバラモンではなく、徳と智慧を備えた人格者を指す。彼らへの敬意が心を清める。

🧩 用語解説

用語意味
敬う(ガルヴァ)尊重・謙虚さ・感謝の心をもって接すること。
修行者(サマナ)煩悩を制御し、真理を求める道を歩む人。
バラモン(ブラーフマナ)仏教では階級ではなく、「煩悩を断った聖なる人」の意味。徳と智慧に優れた者。
楽しい(スカ)外的な快楽ではなく、内面の満足・喜び・安心感・精神的な清らかさ。

🌐 全体の現代語訳(まとめ)

母や父といった命の源を敬うこと、精神的に高い修行者や人格者を敬うこと――それらは、社会においても個人においても、心を豊かにする行いであり、
静かで深い幸福をもたらす「敬意の実践」である


💡 解釈と現代的意義

この章句は、「敬う」という行為が与えてくれる安らぎと人間関係の豊かさを教えています。
現代では自由や個の尊重が強調される一方で、感謝や敬意の実践が希薄になりがちです。
しかし、仏教は敬う心こそが自己を育て、他者との調和を築く土台であると説いています。
「敬意を払うことは、結局、自分の心を豊かにし、自らを救う道」とも言えるのです。


🏢 ビジネスにおける解釈と適用

観点解釈・適用例
上司・部下・顧客への姿勢相手を「役割」で見ず、人として敬意をもって接することで、信頼と協働が生まれる。
企業文化感謝と尊重の文化がある職場は、離職率が低く、心理的安全性が高い。
リーダーシップ部下や取引先、顧客、支えてくれる家族への敬意を実践することで、リーダー自身が精神的に満たされる。
人材育成先人や指導者への敬意をもって学ぶ姿勢が、人を謙虚にし、学びを深くする。

✅ 心得まとめ

「敬うことで人を育て、敬うことで自分が整う。」

敬意とは、形式的な礼儀ではなく、相手の存在の尊さを認める心の姿勢です。
その心をもって親や師・人格者に接するとき、人は安らぎ・信頼・感謝・つながりの中に生きることができるのです。
敬う心のある人が、最も深く満たされた人なのです。


この章句で『ダンマパダ』第1章「双句品(楽しいこと)」の終わりに至ります。

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