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本店の損益勘定を総合損益勘定の代わりとして用いる方法

本支店会計において、会社全体の当期純利益を算定する際、本店に総合損益勘定を設けて処理する方法が一般的ですが、代わりに本店の損益勘定を利用する方法もあります。この方法では、総合損益勘定を省略し、本店の損益勘定で全体の利益を計算します。


1. 本店の損益勘定を総合損益勘定として用いる場合

手順

  1. 本店・支店の収益・費用勘定を振り替え:
  • 本店および各支店の収益・費用を、本店の損益勘定に振り替えます。
  1. 本店の損益勘定で会社全体の当期純利益を算定:
  • 振り替え後の収益・費用の差額(貸借差額)が、会社全体の当期純利益となります。

記入例

条件:

  • 本店と支店の収益・費用を以下のように振り替える。
  • 本店の収益:100,000円、費用:70,000円
  • 支店の収益:50,000円、費用:40,000円

仕訳(支店側):

借方: 本店勘定               10,000円  
貸方: 損益勘定               10,000円  

仕訳(本店側):

借方: 損益勘定               10,000円  
貸方: 支店勘定               10,000円  

本店損益勘定の記入(最終結果):

損益勘定
----------------------------------------
収益合計         150,000円
費用合計          110,000円
----------------------------------------
当期純利益         40,000円

2. 本店独自の当期純利益を計算しない方法

特徴

  • 本店の収益・費用をいったん締め切らず、最初から支店を含む全社的な取引を記録。
  • 本店損益勘定を直接、全社の損益勘定として利用。

記入例

条件:

  • 本店・支店の収益と費用を直接、本店損益勘定で記録する。
  • 本店の収益:100,000円、支店の収益:50,000円
  • 本店の費用:70,000円、支店の費用:40,000円

本店損益勘定の記入(統合形式):

損益勘定
----------------------------------------
収益合計         150,000円  (本店+支店)
費用合計         110,000円  (本店+支店)
----------------------------------------
当期純利益         40,000円

3. 比較表

方法特徴適用場面
総合損益勘定を設ける方法本店独自の当期純利益を計算後、総合損益勘定で全社の当期純利益を算定。支店が複数ある場合や収益・費用を明確に管理したい場合。
本店損益勘定を総合損益勘定として利用本店の損益勘定を全社の損益計算に直接利用。処理を簡略化したい場合。
本店独自の当期純利益を計算しない方法本店と支店を一体として処理。本店損益勘定を直接、全社的な損益勘定として利用。支店との区別が不要な場合。

4. 選択のポイント

  • 支店の規模と数: 支店が多い場合、詳細な管理を求められるなら総合損益勘定を設ける方法が適切。
  • 管理の簡便性: 支店との区別を必要としない場合や、処理の簡略化を図る場合、本店損益勘定の利用が有効。
  • 会社全体の損益把握: どの方法でも、最終的には会社全体の当期純利益が算定されるようにすることが重要です。
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