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進むべき時を知る者は、再び迷わない


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■引用原文(日本語訳)

聖バガヴァットは告げた。
「ところで、逝去したヨーギンは時に応じて不退転に達し、あるいは回帰する。その時(たどる道)を告げよう。」
――『バガヴァッド・ギーター』第8章 第23節


■逐語訳

ところで、
死に際して離脱する修行者(ヨーギン)は、
その時に応じて、不退転(再生しない解脱の境地)に至る者もあれば、
再び生に戻る者もいる。
私は、その「進むべき時=たどる道」について、今、語ろう。


■用語解説

  • 逝去したヨーギン:ヨーガを修し、精神を鍛えてきた修行者。死に際しての意識の状態によって、その後の運命が分かれる。
  • 不退転(アナーヴリッティ):輪廻から解脱し、二度と現世に戻らない境地。最高の到達点。
  • 回帰(アーヴリッティ):再びこの世に戻ること、すなわち輪廻の継続。
  • その時(たどる道):ヨーギンが死に際に通る霊的な道。第24~26節で詳述される。

■全体の現代語訳(まとめ)

クリシュナはアルジュナに、「ヨーギン(精神修養者)は、死に際のタイミングとその状態によって、解脱か再生かが決まる」と語る。
そして、その差を生む“霊的な道”の仕組みについて、これから説明すると宣言する。


■解釈と現代的意義

この節は、死に際の心のあり方が運命を左右する、という教えを導入する一文です。
すなわち「終わり方が、すべてを決める」とも読めます。
人生や仕事においても、始まりよりも終わり方が大切であり、その姿勢が次なる展開(解脱または輪廻)を決定づけるという視点は、非常に示唆に富んでいます。


■ビジネスにおける解釈と適用

観点適用例
プロジェクトの完了終盤の集中や誠実さが、次の信頼や成長に直結する。終わりこそ未来の種まき。
キャリアの転換点転職・退職・異動などの節目での心の持ち方が、その後の道を大きく左右する。
仕事の仕上げ最後の仕上げに手を抜かない人が、次のチャンスに巡り合える。締め方が未来を開く。

■心得まとめ

「終わり方が、次の始まりを決める」

死に際の心が運命を定めるように、
人生の節目、仕事の締めくくり、関係の終焉――
そのときに誠実であれ。
真摯に終えた者にこそ、真に新しい始まりが訪れる。
不退転の境地とは、誠の締めくくりから始まるのだ。


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