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志半ばにして倒れる者の根は、執着にある


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📖 引用原文(『ダンマパダ』第33章「バラモン」第5偈)

或る修行者・バラモンたちは、
迷いの生存(サンサーラ)に執着し続け、
最高の境地に達することなく、
道の途中で崩れ落ちる。
――『ダンマパダ』第33章 第5偈


🔍 逐語訳(意訳)

ある修行者や精神的探求者(バラモン)たちは、
この世の欲望や迷いに執着し続けている。
そのため、彼らは最高の悟りや解脱の境地に達することができず、
その過程のどこかで力尽き、倒れてしまう。


🧘‍♂️ 用語解説

  • 修行者・バラモン:精神的完成・解脱を求めて努力する者。世俗のバラモン階級ではなく、「真理を求める者」を指す。
  • 迷いの生存(サンサーラ):輪廻・生死を繰り返す存在のあり方。欲望や無明にとらわれた状態。
  • 執著(アーサヴァ):欲・見解・存在などへの執着。煩悩の根源とされる。
  • 最高の境地(パラマッタ):涅槃、もしくは心の完全な自由と覚醒の状態。
  • くずおれる(サンパタンティ):比喩的に、志や努力が挫折し、目的に至らずに失敗すること。

🗣 全体の現代語訳(まとめ)

修行や精神的探求の道を歩んでいる者であっても、
この世の欲望や執着を断ち切れなければ、
本来目指すべき「悟り」「真理」には到達できない。
やがて彼らはその途中で道を見失い、努力を無にして崩れ落ちてしまう。


🧭 解釈と現代的意義

この偈句は、真理を志す者ほど、内面の執着に対して厳しくなければならないという警鐘を鳴らしています。
外見や行動が立派に見えても、内心に迷いがあればそれは必ず道半ばで破綻する。
現代においても、キャリア・信念・目標に向かって進むとき、「なぜその道を行くのか」「執着はないか」と自らに問い続ける必要があります。


🏢 ビジネスにおける解釈と適用

観点応用・実践例
ビジョンと誘惑の対立長期的目標を持ちながら、短期的利益や快楽に流されて道を失う危険。
志の持続理想を掲げたプロジェクトでも、日々の雑念やプレッシャーに負けると崩れる。
執着の認識と手放し地位や成果への執着が、自他を傷つける判断を生む。柔軟さと俯瞰の視点が必要。
リーダーシップにおける持久力一時的な感情や評価に左右されず、終始一貫した姿勢で進める人が成果を導く。

💡 感興のことば:心得まとめ

「目的に届かぬのは、志が弱いからではなく、執着が強いからである。」

道半ばで崩れるのは、才能や努力の不足ではなく、
欲望や迷いが消えていないことが原因である。
真に高みを目指す者は、自分の心の曇りを見つめ、整えることを日々怠らない。


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