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志半ばの者に救いはあるか


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■引用原文(日本語訳)

アルジュナはたずねた。
「〔ヨーガを〕信じてはいるが、〔自己を〕制御せず、その心がヨーガから逸れた人は、
ヨーガの成就には達せず、いかなる帰趨に行くか。クリシュナよ。」
―『バガヴァッド・ギーター』第6章 第37節


■逐語訳(一文ずつ)

  • アルジュナは尋ねた:
  • 「クリシュナよ、ヨーガの教えを信じてはいるが、
  • 自己を制御できず、心がヨーガから逸れた者――
  • その者はヨーガを成就せぬまま終わるが、
  • 一体そのような者は、どうなるのか?」

■用語解説

  • 信じてはいるが:ヨーガ(精神統一や真理への道)を信奉している状態。
  • 自己を制御せず:心や欲望を制御できない者。実践が伴わない人。
  • 心がヨーガから逸れた人:修行中に挫折した者、道半ばで努力をやめた者。
  • ヨーガの成就に達せず:真理や精神的完成に至らなかったこと。
  • 帰趨(きすう):最終的に至るところ、運命、結果、行く末。

■全体の現代語訳(まとめ)

アルジュナはこう尋ねる――
「ヨーガの教えを信じてはいたものの、
自らを制御することができず、途中で心がそれてしまった者は、
ヨーガの完成に至らず終わるが、そういう人は最終的にどうなるのだろうか、クリシュナよ?」


■解釈と現代的意義

この節は、「失敗した修行者」の運命をめぐる根本的な問いです。

  • アルジュナは、努力したが道半ばで挫折した人の救いがあるのかという、きわめて人間的な問題を提起します。
  • 「信じているが実践できない」「志はあっても弱さに負ける」――これは誰しもが共感できるテーマです。
  • ここには、「失敗者をどう評価するか」「努力が無駄になるのか」という、人生や教育、マネジメントにも通じる問いがあります。

この問いに対し、次節以降でクリシュナが丁寧に答えを与えていきます。


■ビジネスにおける解釈と適用

観点解釈と応用例
人材育成成功しなかった者にも志や姿勢があったかどうかを見ることが重要。挫折=無価値とは限らない。
マネジメント挫折を責めるよりも、志と信念の継続性を評価すべき。
教育・研修道半ばで失敗した者にも「投資価値」は残っている。次への布石と考える。
自己評価一度の失敗で全否定せず、「次につながる失敗」であれば価値がある。

■心得まとめ

「信じたが届かずとも、その志は消えない」

たとえ道半ばで倒れても、
信じる心と歩み出した勇気があれば、
それは無ではない。

成就に至らぬ者を見下してはならぬ。
倒れたところで終わりではなく、
志は未来に橋を架ける。


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