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万物の中に、偉大なる一つを見る


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■引用原文(第10章 第2節)

アルジュナは続けて言った。
「実に私は、万物の生成と帰滅、そしてあなたの不滅なる偉大性について、あなたから詳しく聞きました。
蓮弁のような眼を持つお方よ。」
—『バガヴァッド・ギーター』第10章 第2節


■逐語訳(一文ずつ訳す)

  • 実に私は、万物の生まれること(生成)と消えること(帰滅)、
  • そしてあなたの不滅で偉大な本性(マハートミヤ)を、
  • あなた自身から詳しく聞いたのでした。
  • おお、蓮のような目をもつ御方よ。

■用語解説

  • 生成(サンバヴァ):万物が宇宙に現れること、創造。
  • 帰滅(リヤヤ):万物が宇宙から消えること、終末・死・吸収。
  • 不滅の偉大性(アヴィナシ マハートミヤ):神の永遠なる存在性と、その壮大な本質。
  • 蓮弁の眼(パドマ・ローチャナ):清らかで慈愛に満ちた神の姿の象徴。蓮はインド文化における神聖性と美の象徴。

■全体の現代語訳(まとめ)

アルジュナは、神(クリシュナ)から、宇宙の根本原理――すなわち全てが生まれ、やがて消えていくこと――と、その背景にある不滅の存在(神性)について教えを受けたことを感謝とともに述べている。この節では、万物の移ろいを超えた「永遠なるもの」への理解が深まったアルジュナの敬意と信頼がにじみ出ている。


■解釈と現代的意義

この節は、世界の「変化するもの」と「変化しないもの」の対比を通じて、人生の本質的な気づきを与えています。
私たちは日々、出会いと別れ、成功と失敗、創造と終焉を経験しますが、その奥にある「永遠に変わらない本質」に気づいたとき、人生の見方が一変します。すべての現象は一つの源から生まれ、一つへと還っていく――その認識は、恐れや不安を超えた静けさをもたらします。


■ビジネスにおける解釈と適用

観点適用例
変化への対応成功も失敗も一時的。生成と帰滅の流れを受け入れることで、柔軟で持続的な判断が可能になる。
長期視点事業やプロジェクトの浮き沈みを超えて、「価値を生むこと」の本質に集中できる。
本質重視見た目の成果ではなく、行動の根底にある理念や信念を大切にする視座を持てる。
組織文化変化を前提としたマインドセットをチームで共有することで、しなやかな組織運営が可能になる。

■心得まとめ

「万物は移ろう。だが、本質は常に在る」

物事が始まり、やがて終わる――それは自然の摂理。
しかしその背後には、変わらぬものがある。神の本質、真理、理念――それらを知れば、目の前の浮き沈みに一喜一憂せず、堂々と自分の道を進むことができる。
ビジネスにおいても、変化の激しい時代だからこそ、「何が不変であるか」を知る人が、本当の安定と成功を手にするのです。

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