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人を動かす三原則は誠実・節度・適時

国を治めるにあたって最も大切なことは、軽々しく事を運ばず、慎重に取り組むことである。ただ慎重なだけでは足りない。そこに誠実さと、民からの信頼がなければならない。

無駄を省き、財を浪費せず、民を思いやる心をもって政を行う。そして、民の生活や営みを尊重し、彼らの暮らしに支障をきたさぬよう、物事を進める時期を選ぶ配慮も欠かしてはならない。

大事を成す者は、常に慎みと誠実を忘れず、人の暮らしに深く心を寄せるべきである。

中規模の国を治めるには、物事を慎重かつ誠実に行い、資源の使い方に節度を持ち、人々を思いやり、民に労働を課す際は適切な時期を選ぶことが肝要である。

目次

原文

子曰、 千乘之國、敬事而信、節用而愛人、使民以時、

「千乗(せんじょう)の国(くに)を道(おさ)むるには、事(こと)を敬(つつし)みて信(しん)あり、用(もち)いを節(せつ)して人(ひと)を愛(あい)し、民(たみ)を使(つか)うに時(とき)を以(もっ)てす」

現代語訳(逐語):

  1. 「千乗の国を治めるには」
     → 千台の戦車を持つような中規模の国を治めるには(=国家統治には)、
  2. 「事を敬みて信あり」
     → 物事を慎重に行い、誠実さを持って臨むことが大切であり、
  3. 「用いを節して人を愛し」
     → 国費(人・物・金の使い方)を節度をもって運用し、民衆を思いやることが必要であり、
  4. 「民を使うに時を以てす」
     → 民衆に労働を課すときは、適切な時期(農繁期を避けるなど)を選ぶようにする。

※注:

  • 「千乗の国」…戦車千台を保有する大国。大国を象徴する表現。
  • 「事を敬みて信あり」…事業に慎重に取り組み、誠実さをもって信頼を得ること。
  • 「節用」…無駄を省き、倹約すること。
  • 「使民以時」…民を労役などに使うときは、農繁期などを避けて適切な時期に行うこと。
  • 千乗の国:戦車1000台を持つ程度の国。古代中国の一つの国の規模を示す比喩で、通常は中規模の国家を指します。
  • 敬む(つつしむ):慎重に、丁寧に対応すること。
  • :誠実さ、信頼されること。
  • 節する:節度を保つ、無駄を省くこと。
  • 愛する:思いやる、大切にする。
  • 時を以てす:適切なタイミングを見計らって行動すること。
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