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“サット”――それは善き行為を実在へと昇華する言霊

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■引用原文(日本語訳)

「『サット』という語は、実在という意味と、善という意味で用いられる。また、『サット』という語は、讃えられる行為について用いられる。」
――『バガヴァッド・ギーター』第17章 第26節

■逐語訳

「サット」という言葉は、
真実(実在)という意味でも、
善(善性・善行)という意味でも使われる。
そしてこの言葉は、称賛されるに値する行為、
価値ある実践に対しても用いられる。

■用語解説

  • サット(SAT):サンスクリット語で「存在」「真理」「善」「純粋性」を意味する語。ギーターでは「実在」「善なるもの」「称賛される価値」など、神聖な行為や状態を表すキーワードとして登場。
  • 実在(サッティヤ):一時的でない、永続的・真実として存在するもの。
  • 善(シュブハ):人を成長させ、心を清め、他者にも利益を与えるような行為・態度。
  • 讃えられる行為:社会的にも霊的にも価値あるとされる正しい行為。ヴェーダの教えにかなった祭祀・布施・苦行など。

■全体の現代語訳(まとめ)

「サット」という言葉は、
永遠に変わらぬ真実(実在)と、
純粋で称賛される善き行為の両方を意味する。
そして、道徳的・霊的に価値ある行いには、
この「サット」の名が冠せられる。


■解釈と現代的意義

この節は、「善き行為こそが“実在”への橋渡しである」という哲理を示しています。
「サット」とは、単なる“良いこと”ではなく、宇宙的真理(ブラフマン)と響き合う善の行為・存在を意味します。
つまり、人が日々の中で誠実に行う善行・使命感ある実践こそが、目に見えぬ実在とつながる道であり、
それは一時の結果ではなく、永遠に価値を持つ「サット」的行為であるとされるのです。


■ビジネスにおける解釈と適用

観点適用例
企業理念との一致サット的な行為とは、一時的利益を超えて、「理念・志」に基づいた一貫した実践を意味する。
称賛される業務とは周囲に評価されるのは、派手な成果ではなく、丁寧で誠実な働き、信頼される判断、継続的な徳行。
善き習慣の確立社内文化に「サット(善性・誠実・清浄)」を反映する日々の習慣(朝礼、感謝、公正な態度)が根づくと、組織が強くなる。
「正しさ」と「真理」の重視現場の判断基準が「利益」だけでなく、「それは正しいか?」と問う姿勢は、サットの実践に通じる。

■心得まとめ

「善なる行為に“サット”の名は宿る」
“サット”とは、存在の真理、善の本質、称賛される価値。
日々の正しい行いは、やがて永続的な価値と信頼を築く“実在”となる。
ビジネスにおいても、瞬間的成果より“誠実な積み重ね”こそが、企業と人をサットに導く


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