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静かな強さこそ、真に神に近い資質である

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■引用原文(日本語訳)

威光、忍耐、堅固(充足)、清浄、敵意のないこと、高慢でないこと。以上は神的な資質に生まれた者に属する。
(『バガヴァッド・ギーター』第16章 第3節)

■逐語訳(一文ずつ)

  • 威光(テージャス):内に秘めた輝きと堂々とした存在感。
  • 忍耐(クシャーマー):困難を耐え忍ぶ力、他者を許す心。
  • 堅固(ドリティ)/充足(サントーシャ):意志の強さ、または足るを知る心の安定。
  • 清浄(シュッチ):心・言葉・行いの清らかさ。
  • 敵意のないこと(アドローハ):復讐心や憎しみを抱かない寛容さ。
  • 高慢でないこと(ナ・アーティマーナ):自己を過大に誇示せず、謙虚であること。
  • これらはすべて、神的な資質を持って生まれた者の特徴である。

■用語解説

  • 威光(テージャス):強引な支配や外見の力ではなく、人格や精神が醸し出す自然な尊厳と影響力。
  • 忍耐(クシャーマー):理不尽や誤解に対しても動じず、怒らずに受け止める力。
  • 堅固(ドリティ):信念や理想に対して揺るがず持続する意志力。
  • 敵意なきこと(アドローハ):過去の恨みにとらわれず、平和的態度を保つ。
  • 高慢でない(ナ・アーティマーナ):傲慢にならず、常に自己を顧みる謙虚な姿勢。

■全体の現代語訳(まとめ)

バガヴァーン・クリシュナは、真に「神的な人間性」とは、表面的な力や地位ではなく、「静かな威厳」「寛容さ」「揺るがぬ信念」「清らかな心」「敵意なき心」「謙虚さ」といった、内面の徳にあると説く。これらを備えた者こそが、高次の存在へと近づいていける。

■解釈と現代的意義

この節は、真の強さや偉大さが「威圧」「支配」「目立つ力」にあるのではなく、「内に秘めた安定感」や「自己の抑制」にあることを教えている。現代では外面的な成功やアピール力が重視されがちだが、長期的に人の心を動かすのは、人格的な深みと謙虚さである。

■ビジネスにおける解釈と適用

観点ビジネスへの応用
リーダーの品格「声高に命じる」よりも「静かに信頼される」存在になることが、真のリーダーシップである。
信頼構築忍耐強く、感情を乱さずに応対できる人は、クライアント・チームの双方から尊敬される。
組織文化他人の成功をねたまず、高慢にならずに学び合う姿勢が、健全な組織風土を築く。
個人の成長執着や怒り、傲慢を手放すことで、安定した判断力と継続力を培うことができる。

■心得まとめ

「真に強き者は、怒らず・誇らず・揺るがずに歩む」

内なる輝き・忍耐・揺るがぬ意志――これらは見せびらかすものではなく、日々の行動の中でにじみ出るものである。
神的資質とは、選ばれた者が持つものではなく、誰もが日々の実践で育てることのできるものである。

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