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神はすべてに宿り、すべてを見ている


■引用原文(日本語訳)

聖バガヴァットは告げた。
「それは一切の方角に手足を持ち、
一切の方角に目と頭と口を持ち、
一切の方角に耳を持ち、
世界において一切を覆って存在している。」
(『バガヴァッド・ギーター』第13章 第13節)


■逐語訳

その存在(ブラフマン、または神我)は、
あらゆる方向に手足を持ち、あらゆる方向に目、頭、口を持ち、
すべての方向に耳を持っており、
この世界のすべてに浸透し、すべてを包み込んで存在している。


■用語解説

用語意味
それ(タット)前節で語られた「知るべきもの」、すなわちブラフマン(宇宙の根本原理)またはパラマートマン(至高の自己)。
一切の方角に手足・目・頭・口・耳神(真理)は遍在し、あらゆる生命の感覚・知覚・働きを通して存在している象徴。
覆って存在する(アヴリティヤ・ティシュタティ)隠れながらも、すべての現象の背後に満ちているという意味。

■全体の現代語訳(まとめ)

神(または真理)とは、限定された一個人ではなく、
すべての生命の中にその“目”があり、“耳”があり、“手足”があり、
宇宙全体に遍満して存在している。
それは、分離された「誰か」ではなく、すべてを通して存在する「全体」なのだ。


■解釈と現代的意義

この節は、「神はどこかに“いる”のではなく、すべての中に“いる”」という非人格的・遍在的な真理観を示しています。
人間・自然・出来事――あらゆるものに神性が宿り、私たちはその中で生き、またそれを生きている存在だという世界観です。
この理解は、他者・社会・環境に対する尊敬と調和の精神を育みます。


■ビジネスにおける解釈と適用

視点解釈と応用例
全体性の尊重部署や役割を超えて、すべての関係者に「神性」=尊重すべき価値があると見ることで、共感と協働が生まれる。
顧客理解顧客は単なる“対象”ではなく、神の目・耳・声を持つ存在として向き合うことで、誠実なサービスが生まれる。
倫理観の育成誰が見ていようが見ていまいが、「神はすべてを見ている」という意識が、自己抑制と高い倫理性につながる。
リーダーシップ「自分が中心」ではなく、「全体に奉仕する」意識を持つリーダーが、組織に信頼と方向性を与える。

■心得まとめ

「すべてに神は宿る――それを知る者の行動は変わる」

『バガヴァッド・ギーター』は、神や真理は特別な場所にあるのではなく、
あらゆる命・行為・音・視線の中に遍在していると教えています。
この理解は、日々の行動・人間関係・仕事のすべてに深い敬意と意味をもたらします。
「すべてを通して神を見る目」を持つこと――それが成熟と覚醒への道なのです。

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