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独り林を行く象のように、静かに、強く、生きよ


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📜 引用原文

第一四章 憎しみ 一六
「愚かな者を道伴れとすることなかれ。
独りで行くほうがよい。孤独で歩め。悪いことをするな。
求めるところは少なくあれ。林の中にいる象のように。

――以上、第一四章『憎しみ』」
— 『ダンマパダ』


🔍 逐語訳

愚かなる者と共に歩むことなかれ。
むしろ独りで歩む方がよい。
孤独であることを恐れるな。

悪いことをしてはならない。
欲望を抑え、求めるものは最小限にとどめよ。

――まるで林の中を静かに歩む象のように。


🧩 用語解説

  • 愚かな者:倫理・道理をわきまえず、欲と怒りにとらわれる者。共に行動することで悪の影響を受けやすい。
  • 独りで行く/孤独で歩め:群れや社会に流されず、信念と智慧をもって自立して生きよ、という仏教の“独行”の勧め。
  • 悪いことをするな:たとえ孤独でも、邪道に流れず正道を守れ。
  • 求めるところは少なくあれ:貪欲を離れ、足るを知ること。欲望のコントロール。
  • 林の中にいる象:孤高・力強さ・静けさ・自足・風格を象徴する仏教的比喩。

🧾 全体の現代語訳(まとめ)

愚かな者と共に歩んではならない。
たとえ孤独でも、一人で正しく歩む方がよい。
悪を避け、欲を減らし、静かに慎ましく生きよ。

まるで、群れを離れて森を静かに歩く象のように――
孤独の中に、確かな強さと自由がある。


🧠 解釈と現代的意義

この句は、第14章「憎しみ」の総括として、
「悪に染まらず、静かに生きる」ことの尊さを象徴的に締めくくっています。

現代では、つながり・共感・チームワークが重視される一方で、
本質的な孤独を恐れず、必要なときには一人で立つ勇気が求められます。

この句は教えてくれます。
誰とでも共にいることが善ではなく、
誰と共にいるか、あるいは一人でいるかが重要である。
」と。


💼 ビジネスにおける解釈と適用

観点実務での活用例
判断基準の独立性周囲の誤った空気に流されず、正しいことを静かに実行する姿勢がプロフェッショナリズム。
悪友の回避組織内外で、短期的な利益のために道徳を曲げる誘いがあっても、それに染まらず離れる勇気を持つ。
セルフマネジメント孤独に耐える力、自律的に行動できる力は、高い信頼と成果をもたらす。
ミニマリズム思考求めすぎず、シンプルで本質的な価値を追う人は、判断力と集中力に優れる。

🧭 心得まとめ

「正しい道を守るためなら、独りであることを恐れるな」
「群れに安住せず、静かに強く、象のように生きよ」

この節は、「他者といることの安心」と
「独りでいることの自由と気高さ」の対比をもって、
本当に大切なものは、常に内にあると語っています。

正しさ、静けさ、自立、節度、そして孤高。
それが、“憎しみの終わり”に仏陀が私たちに託した、生き方の姿です。

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