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ことば・心・行いを慎む者、道を得る


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■引用原文(ダンマパダ 第二〇章「道」第281偈)

ことばを慎しみ、心を落ち着けて慎しみ、身に悪を為してはならない。
これらの三つの行ないの路を浄くたもつならば、仙人(=仏)の説きたもうた道を克ち得るであろう。


■逐語訳

  • 言葉を慎みなさい。
  • 心を静かに保ち、慎みなさい。
  • 身体(行動)において悪をなしてはならない。
  • この三つの行為(言・心・身)を清らかに保つ者は、
  • 仏(仙人)が説かれた道(=解脱への道)を、克服し、歩むことができる。

■用語解説

用語解説
ことばを慎む(正語)嘘・中傷・無駄話・悪口を慎み、誠実・優しい・有益な言葉を使うこと。八正道の一部。
心を慎む(正念・正定)怒り・妄想・貪欲に流されず、集中した平静な心を保つこと。
身の悪行を慎む(正業)殺生・盗み・邪淫を避け、道徳的に正しい身体の行為を行うこと。
仙人(サマナ/仏)悟りを得た聖者。ここでは釈迦牟尼仏(ブッダ)を指す。
克ち得る成し遂げる、修める、完全に体得するという意味合い。

■全体の現代語訳(まとめ)

言葉において嘘や悪口を避け、心において怒りや混乱を抑え、身体において悪を行わないようにする。
この三つの行い(言語・精神・行動)を常に清らかに保つならば、仏陀が説いた正しい道(=八正道)を実際に歩み、真の自由と悟りに至ることができる。
修行とは決して特別なことではなく、日常の三つの基本的行いの中にある。


■解釈と現代的意義

この偈は、言葉・心・行動という人間の基本的な営みが、どれだけ真理の実現にとって重要であるかを説いています。
外的な儀式や特別な知識よりも、「日々のふるまい」が人格と悟りの道を決定づける――それが仏教の本質的な教えです。

この三つの分野は、現代でも「コミュニケーション」「メンタルマネジメント」「行動規範」として、極めて実用的・普遍的なテーマです。


■ビジネスにおける解釈と適用

観点応用例
コミュニケーションの誠実さ嘘や悪口は信頼を失う。ポジティブで建設的な言葉づかいが、健全な組織文化をつくる。
メンタル管理怒りや焦りに流されない冷静な心は、リーダーや判断を任される人に不可欠。
倫理的行動ルールや制度以前に、「人として正しいか」で判断する行動原理が長期的な信用を築く。
一貫性言葉・心・行動が一致している人は、周囲からの信頼と影響力を高める。

■心得まとめ

「ことば・心・行動を整える者こそ、本物のプロフェッショナルである」
日々の何気ないふるまいの中に、仏陀が説いた道はある。言葉を慎み、心を落ち着け、正しく行動すること――それが、人生と仕事のすべての土台となる。
真の成功とは、外からの評価ではなく、自らの三業を清く保つことにある


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